肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2018.6.1

ダマスクローズに恋をして 後編【はじめての蒸留体験記】

こんにちは、すみれです。

ここ福岡はだいぶ日が長くなってきたので、明るすぎて気が付かず、我に返ると18時の定時を回ることもしばしば。お腹を空かせた4年生の娘が、ご飯を炊けるようになったのはケガの巧妙といういうべきか。(笑)大変有り難い限りです。早速ですが、先日のダマスクローズの女子旅の後編をお伝えしますね!

<前編【はじめての朝摘み体験記】>はこちらから

 

お世話になったバラ園を後にして、かごいっぱいのダマスクローズを抱えた私たちは場所を宮崎県綾町へ移動して、はじめて自分たちだけでローズの蒸留にチャレンジしました。綾町は宮崎市内から車で40分ほどいったところにある、豊かな照葉樹林に覆われたのどかな町です。カメラマンの健郎博士はこの自然と共生している豊かな綾町で、自社のハーブ畑で収穫されたカモミールやレモングラスなどでハンドメイドにこだわった製品をつくり「SPIRO SPERO」(スピロスペロ)という弊社の別ブランドの運営をしています。またHANAオーガニックではヘアケア開発の技術サポート、監修として携わっています!

 

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▲こんなにも可愛らしいダマスクローズたち!どうしてくれよう!

 

 

水蒸気蒸留法って何ですか?

 

そうですよね。。中学生の理科の実験で学習した記憶が・・・改めて頭の整理をしてみます。多くのエッセンシャルオイル(精油)がこの方法で抽出されます。HANAオーガニックで使用するブルガリアのダマスクローズの生産者であるエニオボンチェフ社もこの水蒸気蒸留法で精油とローズウォーターを抽出しているんですよ。

 

<水蒸気蒸留法> 

 

①ローズを蒸留釜に入れて水蒸気を送り込みます。

②ローズに含まれる精油(香り成分)が水と一緒に蒸気の中に溶け込み、水蒸気となって上昇します。

③この精油が溶け込んだ水蒸気を冷却器で冷やすと液体に戻ります。上の層に精油が下の層に水がたまるのでこれを分離すれば精油とローズウォーターの完成です。

 

いざローズを蒸留開始!

 

さて頭の整理も済んだところで早速蒸留を開始します。いつも数々のハーブの蒸留を手掛けている博士ですので手慣れたもの。今回はダマスクローズの量が少ないので小型の蒸留器を使用するとのこと。手慣れた様子でサクサクと準備していきます。

 

まずダマスクローズをさっと水洗いします。無農薬ですから、虫もたくさんおりましたので丁寧に洗いつつ、香りが溶け出さないようにここはサッと洗います。ガラスの容器(蒸留釜)に今回は約40個ほどの花びらを投入!加熱していざ蒸留開始です!

 

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ローズの精油も採れるのかな?

 

調べました!!・・・ 1 ml の精油を抽出するために10 kg もの花びらが必要とのこと。ローズの精油が貴重で高価な訳が頷けます。。今回はもちろんローズの量が少ないので精油の採取はあきらめました・・が!せめて芳しいローズウォーターを採取して香りを体感したいと思っていました。加熱開始して早くも20分ほどで香りがふんわり立ち込め、素敵な香りがオフィスに広がってきました。うっとりと、とても贅沢な時間です。

 

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「わーーいい香り♪」「すごいーすごいー」と畑の感動とは異なる高揚感。

 

「すごい・・・あの可愛い花たちが凝縮した香りになって・・・なんだか神秘的ですね」とよつばちゃん。

 

花びらが水蒸気となり、冷やされて水滴となって落ちてくる。香りが花びらから滴に姿を変えて旅しているように見え、その様子に不思議な気持ちになりながら、ゆっくりとぽたぽたと落ちてくる滴をいつまでも眺めていました。そして、蒸留すること約2時間。数時間前に自分たちで摘み取ったダマスクローズの花々が、芳しい香りを放ちながら約300mlのローズウォーターとなって再びその姿を現しました。

 

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▲かごいっぱいの花びらから2本分(約300ml)のローズウォーターを採取!時間がないので後のローズたちはおみやげに^^

 

スプレーボトルに移し変え、シュッと一噴きすると、

 

甘さの中に大地を感じられる力強く、でも瑞々しい新鮮な香り。優雅でもあり、でも奥ゆかしさもあり。この香り、きっとみんな女性は好きなはず。

女性はみな自分の奥底にある本当の自分をこの複雑な香りの中に投影しているのではないでしょうか。女性性の開花?理屈ではないけれど、なぜかそんな確信をもって、改めてみなさんにお伝えしたくなりました。

 

 

でも香りってなんだろう?

 

見えない香りの旅を目にしながらふとそんなことを考えました。

 

香りはその儚さやゆえに、人々の情景をさらにかきたて、少しでも長く留めておきたいとその方法を探るようになったのでしょう。やがて蒸留技術を得て、精油の採取に成功したことで私たちの暮らしをさらに彩り、実りあるものにしてきたのでしょうね。以前アロマの勉強をしていた時に、精油(エッセンシャルオイル)はラテン語の「esse(存在する)」を起源、派生してできた言葉で、香りは植物の本質であると記述されていたことを思い出しました。そしてその時はなんだかふわっと呑み込めなかった、精油に関する記述に際し、まさに目の前で起こっているこの光景に、「なるほど!!!こういうことだったのね!!」と心の中で合点がいき不思議なざわつきを感じたのです。

 

鳥や昆虫が、進んで受粉や種子の運搬に一役かっているのは精油の力によるもの。動けない植物たちにとってその精油の(香り)力はまさに生命の繁栄を決める貴重な役割を担っているですね。

 

そして特にローズの精油は約500もの複雑な組成成分をもち他の植物より圧倒的に多いのです。

例えば「ゲラニオール」な中でもローズ特有の成分で、抗菌、保湿の効果があり美肌作用が期待できます。また女性ホルモンの分泌に関わりのある物質のため美しく年齢を重ねる手助けをします。含有量の比較的多い「シトロネロール」は鎮静効果、リラックス効果が高いと言われています。その他まだまだたくさんの成分がぎっしり!なるほど。ローズの不思議なパワー、香りの魅力はこうしたことだったのですね。そして現代の科学分析をもってしてもまだまだ解明されていない成分が多いのだとか。ローズの神秘的な魅力は本当に奥が深そうですね。

 

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▲香りの神秘にふれました!

 

宮崎を後にした私たちは、奥深いダマスクローズの魅力に想いを馳せ、古来より愛され続けてきたその不思議な力を改めて考えていました。身体も頭も疲れているはずなのに、心は満たされており、身体も足取り軽く帰路につきました。そして帰宅して間もなくよつばちゃんからこんなメッセージが

 

「すみれさんへ。今日はありがとうございました。今でもダマスクローズの香りが鮮明に残っており、寝るまで余韻に浸っていました。収穫の際には暑い日差しにあたって体は火照っているはずなのに、香りに触れるたびに私の気持ちはすーっと落ち着いていくようなそんな感覚を味わいました。」

 

同じだ!この香りに触れるとみんなこんな不思議な気持ちになる。また会いたくなる。

 

6月第一日曜日はブルガリアの『バラの谷』では“バラ祭り”を迎え、収穫のお祝いに沸き立ちます。今年はどんな香りになって届くんだろう。今からとてもとても楽しみです。今回の旅で感じた感動を製品を通してお届けできたらと思ってますので今年の「ローズウォーターヌーボー2018」を是非楽しみにお待ちくださいね!

 

以上すみれとよつばの女子旅でした!

最後に少しだけ・・・ダマスクローズに恋した面々を!^^

 

specialthanks:カメラマン健郎博士とよつばちゃん

specialthanks:カメラマン健郎博士とよつばちゃん

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