肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2022.7.4

スタイルをもって女性を美しくする仕事がしたい。 男性社会の中で必死で実現しようとしてきたものとは。(カワハラサユリさん 前編)

 

 

カワハラサユリさん

 

《プロフィール》

髪、肌、環境に優しいエシカルヘアサロンSABOを2店舗経営し、各種メディアでヘアメイクとしてもご活躍、プライベートでは一児の母でもあるカワハラさん。サロンでは完全オーダーメイドで女性達の髪、肌、心に向き合い続ける提案を行っています。

 

▽Instagram

@sabo_sayurikawahara

@sabohairsalon

 

 

 

 

 

サスティナブル&エシカルなヘアサロンSABOを10年前に恵比寿に創業。緑があふれて自然光が差し込む気持ちの良い空間では、HANA ORGANIC 製品もお取り扱い下さり、3WAYトリートメントを用いたヘッドスパは人気のメニューなのだとか。

 

花卉業界で大きな事業を営む家に生まれ、小さいころから植物に囲まれて育った幼少期から、男性に負けないようにと必死で練習し技術向上を目指した大手美容室での社員時代。苦労も糧に変えて夢を実現し続けていたカワハラさんの物語です。

 

(取材:HANA ORGANIC  林田)

 

 

 

◆ (林田)いつもお世話になっております、HANA ORGANIC 林田です。いろいろ社内でもカワハラさんのことや素敵なお取組みのお話は伺いますが、こうしてお会いするのは初めてですね。

 

◇ (カワハラさん)はい、私もインスタライブや発表会などでは林田さんのお話を聞いたりしてきたので初めてな気がしませんが、今日はお会いできて嬉しいです!宜しくお願いいたします。

 

 

◆ 私もカワハラさんの美容室SABOさんのInstagramも見ますが、個人のアカウントも見ていますよ!息子ちゃん、とっても目がくりくりっとしていてかわいいですよね!そして新年の時かな、ご主人と息子ちゃんとカワハラさんと3人でお着物を着て撮っている写真もすごく素敵で。美容業界の方なので当たり前ですが、本当に着る物も、髪型も、暮らしの様々なものが洗練されていて美しいですよね。

 

 

 

◇ わぁ、そういっていただけるとすごい嬉しいです。息子もいい表情をしてくれていたので和やかな家族写真になりました。私は小さいころから祖母も一緒に住んでいたのですが、祖母がすごく美意識の高い人だったから、小さいころから暮らしの中を美しく整えるということをなんとなく見てきたのかもしれませんね。好きなものに囲まれたいとか、きれいなものに囲まれていたいというのはありますね。

 

 

◆ カワハラさんはもともとファッションや美容の業界に行こうと思ってお仕事を始められたのですか?

 

◇ 実は元々興味があったのは、フェイシャルトリートメントとかお肌の方なんです。高校を卒業して美容の専門学校に行ったのですが、そこではもちろんヘアやメイクもやりましたが、トリートメントなどの実習もあって。

 

そしてフランスに短期で行く機会があったときに、向こうのサロンで働く人たちと交流する機会があって。私とそんなに年齢は変わらないのに、みんなクライアントのお肌や身体を預かっているという自負があったり、セラピストとしての哲学のようなものを持っていて、もう圧倒されてしまって。私もこんな風になりたい!と、若かったので影響をそのまま受けて、エステシャンになろうと思ったんですね。

 

 

◆ なるほど。美容師としての技術も学びはしたものの、興味があったのはエステサロンの方だったのですね。それでは学校出た後は一度エステ業界に?

 

◇ それが違うんです。就職活動の時に友人がエステの会社説明会に行くというので、それはぜひ私も一緒に行きたい、といってついていったんです。そうしたら、なんか痩身とか脱毛とかの話が多くて、会社の売上がどうこうとか、私がピンとくるような話がほとんどなくて。

 

あれ、これはもしかして違うのかも・・・・。あれはフランスの話であって、日本のエステではスタイルのある仕事をするのは難しいのかも、と、直感的に思ったんです。

 

それで美容室業界の方も広く見てみようと思って会社を検討していく中で、就職した前職の会社に出会いました。

 

青山とか東京の発信地にヘアサロンを出している会社で、サロンで働いている人たちもみんなアパレル業界の人か、モデルさんじゃないかと思うくらい前衛的だったり奇抜な格好をしていて。そしてその立ち振る舞いや仕事ぶりになんというかこだわりや哲学を感じられるなぁと思って。あ、ここならエステのようなトリートメントはできないけどフランスに行ったときに感じたあのスタイルで仕事ができるかもしれない、と思ったんです。

 

 

◆ なるほど。エステのトリートメントはあくまでも手段で、カワハラさんのやりたかったことは、スタイル(哲学)をもって女性を美しくするお手伝いだったということなのでしょうね。その方法がまだ若い時にはよくつかめていなくて、フランスのサロンでセラピストさんを見ればそれがやりたいことかな、と思ったし、美容室でスタイルをもって格好よく働いている先輩たちを見ると、それでもきっと未来は開ける、と思ったのでしょうね。

 

 

 

◇ そうなのだと思います。若い時は本当にまだ考えも固まらずにふわふわとしていたところや流されそうになっていたこともあったのかなと。でもやっぱりこの人たちと働きたい、この人たちみたいになりたい、という「人」に直観的な何かを感じて決めたというのは間違っていなかったな、と今でも思います。

 

 

◆ ではその後はその会社に就職されて、美容師の仕事につかれたのですよね。今のご自身のサロンを開くまでにはやはり紆余曲折あったのでしょうか。

 

◇ それはもう、なんというかとっても険しい道のりでした。美容師って本当に肉体労働というか体力勝負のところがあって。開店前から準備をして、お客様が入ったら立ちっぱなしで、新人はシャンプーやアシスタント業務だから同じ仕事をただひたすらにやり続けることも多くて。そして閉店後からは技術研修があって、帰宅するのは深夜。そしてまた朝早くからTODOに追われるという・・・

 

 

◆ わたしも友人や知人の美容師の方たちからはよく若いころの苦労話を聞きます。本当に職人の仕事だから、石の上にも三年じゃないですけど、下積みが長くてきつい仕事の一つですよね。カワハラさんはその厳しい中を、やっぱり自分のスタイルのお店をいつかは持ちたいとか、なにか夢があったから頑張れたのでしょうか。

 

◇ うーん、どうなのかなぁ・・・。正直言って夢があったからというよりは、負けず嫌いでしたし、男性社会でなにか不当に扱われるような場面もあったので見返してやりたいとか、そんなことが原動力だったようにも感じます(苦笑)。とにかく同期も多い大きな会社で競争社会でしたが、必死で頑張って新人の中では成績がTOPクラスになったりしていましたね。

 

あとは社長や経営陣の方々の考えや哲学のようなものが本当に好きで。先輩たちのようなスタイリストとして早く活躍したいというのもありましたから。人に恵まれていたのは確かですね。

 

 

◆ やっぱりご活躍されている今につながる経験を、若い時から積み重ねてこられたのですね。そのままその会社に残ろうとは思わなかったのですか?

 

 

 

 

◇ そうですね、やっぱり何か自分の中で女性たちのためにもっとできることはあるのではないか、という思いは常にありましたね。実は大きな会社の中だったのですけど、途中で美容室勤務だけでなくメイクアップアーティストとしても活動してみたい、という話を社長にしたところ、OKがでて、撮影現場などでのヘアメイクとして働く機会ももらったんです。

 

会社ではイレギュラーなことだったんですけど、私が自分が言ったことはちゃんとやり抜くタイプだということで信頼してくださったみたいで、美容師としての仕事はちゃんとやり続けるということを条件にして、活動を広げていきました。

 

 

◆ ただでさえ忙しい美容師業務の真っただ中で、二足の草鞋を履いたのですね!?すごい。

 

◇ あの頃はほんと身体を壊すくらい働いていましたね。朝から晩まで、人の何倍も、という表現ができるくらい。でもその時の経験が、そのあとの自分のお店を持つことやいろんなことにつながっていっているように感じるんです。

 

ヘアメイクとしても自信がついてきた頃に、社長に独立したいという話をして快く送り出していただいて。そこからもまた必死で、数年フリーのヘアメイクとして働きながら、自分のお店を出す資金を貯めていきました。今までは男性社会の中での競争だったけど、今度は本当に自分の好きな世界を作れるんだという想いでいっぱいだったので、準備期間も大変だけど楽しかったですね。

 

 

 

まだまだ男性社会、競争社会だったヘアサロン業界の中で必死で頑張ってきた20代。そこからフリーのヘアメイクアップアーティストとなり、さらにはご自身のお店を持つ今へ。カワハラさんのこのバイタリティ、あきらめずにやり抜く性質の背景にはどんな物語があるのでしょうか。後編では少女の頃から今に至るまでのお話をお伺いしていきます。

 

 

ナウシカになりたかった少女時代。植物に囲まれて育ちました。(カワハラさん 後編)

 

 

 

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