2019.8.29
40歳になったら、知っておきたい「女性型薄毛」の知識
最近抜け毛が増えた気がする、髪のコシがなくなってきた・・・。40代になると急に感じる髪の衰え。実際のアンケート調査でも薄毛が気になるとする女性の割合は30代72%、40代77%、50代80%とかなり高い比率になっています。
(出典:株式会社リクルートライフスタイル 「薄毛に対する意識調査」n10,034)
まずは女性特有の薄毛に対する正しい知識を持つことが最良の対策です。
▼遺伝?生活?薄毛になりやすいタイプ?
女性を不安にさせる抜け毛、薄毛の悩み。母親世代を見ていて、私ももしかしたら・・と思ってみたり、40代に入って髪のうねりや細りが気になって将来の髪に不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
また父親が薄毛だと、遺伝の影響があるのかも・・と思うこともあるかもしれません。実際のところ薄毛になりやすいタイプはあるのでしょうか。
日本皮膚科学会のガイドライン2017年版によると、明確に男性型脱毛症と女性型脱毛症・薄毛を分けており、男性型脱毛には遺伝と男性ホルモンが深く関与するが、女性型の場合は更年期に多発し原因は多岐にわたっていることが指摘されています。
また脱毛症の外用薬や内服薬についても、主に男性ホルモンを抑制するタイプのものが多いため、男性には有効でも女性には無効、さらには胎児への影響や副作用の方が気になることなどが指摘されています。
主に女性の薄毛の原因は外的環境(ヘアケア製品やパーマやカラー)や内的環境(食事や睡眠など)の影響が強いと言われているため、父親が薄毛でも関連性は薄く、母親が薄毛の場合は生活習慣や体質が似ることから可能性としては考えられる、ということかもしれません。
それ以外にも血流不良や頭皮の炎症などの影響が大きいため、下記のようなタイプが薄毛になりやすいと考えられます。
1.もともとの髪質が細くて柔らかいタイプ
2.肌が弱く敏感肌、アレルギー体質など炎症を起こしやすいタイプ
3.冷え性や低体温、低血圧で血流不良を起こしやすいタイプ
4.ストレスを抱えがちで交感神経優位になりやすいタイプ
40歳を超えたあたりから皮脂分泌量や女性ホルモンの低下により、誰もが髪の変化は感じるもの。それに加えて上記のタイプが当てはまるようであれば、頭皮と髪について早めに対策を行っていくことが大切です。
▼髪の一生、ヘアサイクルが鍵。薄毛のメカニズムをしっかり把握する。
髪にもお肌のターンオーバーと同じように生まれて成長して抜けていくというヘアサイクルが存在します。毛穴の奥に毛母細胞という髪の毛を生む細胞が存在し、その細胞が毛細血管から栄養を受けて分裂を繰り返し太く長い髪へと成長していきます。
血管から栄養を受けて毛髪が成長する期間は4年~6年と言われ、それ以降は血管から離れていく退行期、成長が止まって抜けるまでの休止期へと移ります。そしてその奥では新しい毛母細胞が血管に根を下ろし、新しい毛髪が新生し、最後には新しい毛髪に押し上げられて古い毛髪は抜け落ちます。この新旧交代が日々、頭皮の中で行われています。
ところが髪の寿命が急激に短くなってしまうことがあります。これが薄毛。薄毛というと脱毛のイメージが強いかもしれませんが、髪の毛が抜けて生えてこなくなったのではなく、成長できていない細く短い毛髪のまま短命で抜け落ちてしまうという状況です。
抜け毛が特に増えたわけでもないのに地肌が気になる、髪のコシが弱くなった、細くなったという時にはこの毛髪の短命化を疑う必要があります。毛髪の短命を招く大きな原因がヘアカラーなどの薬剤によるダメージです。頭皮を強烈に酸化させ、細胞の寿命を縮めてしまいます。
白髪が増え始める40代はちょうど女性ホルモンが減って髪が育ちにくくなる時期。そこに高頻度なヘアカラーが続くとさらに髪が育たなくなっていきます。
もう一つ影響力が大きいのが血行不良。冷え性や低血圧の方はもちろん、ストレスなどで交感神経過多になると毛細血管が収縮し、末端の血流が悪くなります。そうすると大切な毛母細胞に栄養が届けられず、毛髪は成長しないまま抜け落ちていくことに。
ヘアカラーなどのダメージをどう軽減するか、血行不良をどう改善するか。ここが女性型薄毛の重要なポイントとなります。
▼女性の薄毛対策は、ダメージの軽減と血行促進
ヘアカラーの影響を無くすには染めないことが一番。もしくは刺激の強いジアミン色素系以外のヘアカラーに切り替えることがおすすめです。ただどうしても色落ちや色味が気になるので通常のヘアカラーをしたい、という場合には下記のポイントを抑えてケアをしましょう。
1. ヘアカラーの前に頭皮に保護クリームなどを塗っていく。
2. ヘアカラーの直前にはシャンプーをしない。皮脂が天然のクリームとなって頭皮を保護してくれます。
3. 頭皮にヒリヒリや刺激を感じた場合には染まり具合に関わらずすぐに洗い流す。しばらくはヘアマニュキュアなどに切り替えて数週間など日を置いてから再度試しましょう。
4. ヘアカラーの後は頭皮のケアをしましょう。抗炎症効果の高い美容液やクリームなどがおすすめです。育毛剤は医薬部外品で作用の強い成分が配合されているため、ヘアカラーの後など頭皮ダメージが気になるときには避けましょう。
血行促進方法については様々ありますが、湯船につかることがおすすめです。湯船につかることで血流が良くなるだけでなく頭皮の毛穴も開きやすくなり、お湯で予洗いをすれば汚れが落ちやすくシャンプーの量を少なくすることができます。リラックスできる香りの刺激の少ないシャンプーを使いましょう。
血行促進は美髪美肌両方に最も効果的な方法です。またこのサイトでも特集していきます。
▼まとめ
- 男性型脱毛と違い、女性の薄毛の原因は遺伝よりも日々の生活の影響が強い
- ヘアカラーなど薬剤によるダメージや血行不良によりヘアサイクルが乱れ、薄毛になる
- ヘアカラーを選ぶときは成分をチェックし、使用前後で髪や頭皮を守るケアをする
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