2019.8.30
白髪はメラニン色素の受け渡しができないから生えてくる!
日本女性の白髪の平均発生年齢は30代後半で、頭髪の半分が白くなるのは55歳ごろといわれています。 とはいえ白髪の発生は人それそれで、30代でも毎月白髪を染めずにはいられない状況の人もいれば、40代 半ばでも白髪がほとんどなくまだ染めなくてもいい人もいます。
いつまでも生命感のある豊かな髪とともにいきいきとした毎日を過ごしたいという想いと、髪そのものや髪を育む頭皮の健やかさとが釣り合わないのも事実です。
▼白髪はいったいどんなメカニズムで生まれるのでしょうか。
白髪は、髪に色を与えているメラニン顆粒がなんらかの要因で、髪の毛を構成しているタンパク質に転送されなくなることが原因とされ、老化現象のひとつとされています。
毛髪の毛球部には、毛髪自体を生成する毛母細胞と、メラニン色素を生成する色素細胞のふたつがあります。一般的には、毛母細胞は活発に機能しているのに、加齢により色素細胞がメラニン色素を生成しなくなった場合に白髪が生えてくると考えられています。
毛髪の白髪化はだいたい側頭部から始まり、頭頂部に進行し、後頭部は最後に白髪化する傾向があります。
▼白髪に適したヘアケアはあるの?
現在のところ、白髪が起こるメカニズムについて解明されつつある段階で、ヘアカラー以外の臨床医学的に有効なヘアケアはありませんが、ある種の植物エキスが白髪化を遅らせる効果をもつという研究は報告されています。
今後白髪化の詳しいメカニズムが解明されることで、発生を抑えたり、減少をさせるような薬剤の開発の糸口が見えてくるのではないでしょうか。
▼若白髪の原因は?
加齢による白髪はかなりの個人差がありますが、20歳以前に10%以上の白髪があれば以上と考えられます。 先天的な原因としては、遺伝的にメラノサイトを減少させる疾患や、メラノサイトのメラニン産生異常などがあります。
後天的な原因としては、栄養障害(ビタミンAや鉄分の不足)や内分泌障害、放射線障害、そしてストレスが挙げられますが、突然白髪になったりすることはありません。
▼細胞どうしのやり取りがスムーズに行われるためには
昔からワカメは髪に良い、といわれます。ワカメにはヨウ素と呼ばれる成分が含まれており、エイジングケアには欠かせないものです。ですが、まずが髪の毛を構成するタンパク質をとることが重要です。
また、そのタンパク質を働かせるためにビタミンB群が必要であり、そしてさらにタンパク質と結びついてコラーゲンをつくるビタミンC、タンパク質の合成を促進させるホルモン原料のヨウ素が必要になります。
このようにそれぞれが作用しあっているため、バランスの良い食事をとることが大切なのです。
バランスの取れた食事、毎日の十分な睡眠、ストレスを抱えすぎないことなど、白髪をつくらせないためにはホリスティックなケアが大切です。
▼まとめ
- 髪の毛の根元にある色素細胞がメラニン色素を生成しなくなって白髪が生えてくる
- 若白髪の原因は遺伝、栄養障害、内分泌障害、過度なストレスが挙げられる
- それぞれの栄養素が互いに作用しあって髪の毛がつくられるため、バランスの良い食事を心がける
【参考文献】
『新化粧品学』光井武夫/著
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