肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2022.4.13

春夏の美容は、和のサスティナビリティ精神 “常若(とこわか)”に学ぶ(1)

 

新春、新年度、新米に新酒・・・・。

新しい始まりや新物を昔から大切にしてきた日本人。そこには四季があることで”衰退と再生”という自然のサイクルへの感度が高まったこと、湿度の高さから清潔活新鮮に保つことが求められたという背景があったのかもしれません。

 

こうした日本独特の価値観を表すのが“常若(とこわか)”という言葉。

 

春から初夏にかけて、スタートの季節を清々しく過ごすためにぜひ“常若”に倣った美容作法を取り入れてみませんか?

 

 

 

 

季節の節目を見つめてたどり着く、

日本ならではの“常若”という考え方

 

自然のサイクルにおいて、春は新しさや再生の象徴

春になり山の雪解け水が川や海へ流れ出すと、永い眠りから目覚めたかのように生物は活動的になります。日差しの温もりと天から降る雨によって山はみずみずしく潤い、植物は枝葉を伸ばします。

 

その植物を糧に昆虫や動物は成長し、人間は動植物の命を頂いて子孫を増やします。現代では「生態系」と呼ばれるこの生命のサイクルを、昔の人は自然に宿っている神々の為せる業として畏怖の念を抱いてきました。

 

 

“常若”とは、自然や自然現象に宿る八百万の神々を祀っている、神道において大切にされてきた考え方です。

 

神道の催事が行われるのは、ほとんどの地域に一つはある神社です。そして、それら日本にある神社の総本山ともいえる伊勢神宮では、“常若”の考え方に基づいた『式年遷宮』という行事があります。

 

式年とは二十年の意味で、二十年に一度、神殿を新しく建造し、調度品や装束もすべて新調します。いわば自然の神々による、より美しく清々しい場所へのお引越しです。

 

 

 

 

伊勢神宮の「式年遷宮」が明かす、

入れ替えて新しさを保つという価値

 

 

生命を宿す神殿ともいえる女性にとって常若とは

『式年遷宮』は、なんと千三百年も前から行われている行事です。

 

例えば紀元前に建てられたギリシャのパルテノン神殿やエジプトのピラミッドなど、世界のほかの神殿では、このような新しくする、入れ替える、といった斬新な考え方は適用されていません。日本のように湿度が高くものが腐りやすい気候ではなく、乾燥した気候であったこともおそらく影響したのでしょう。

 

頑丈な石造りで永遠の存続を目指しましたが、現代の姿を見れば消滅こそしないものの、老朽化を避けられないことがわかります。

 

対して、伊勢神宮の神殿は、繰り返し再生することで、つねに若々しい状態を保っています。もちろん、ここでいう若々しいとは、新しさのことです。

 

 

短期間で朽ちる素材を用いても、定期的に入れ替えることで美しくみずみずしい状態を未来へと接続していく。まさに「古いのに新しい美しさ」をまとった、奇跡的な存在として世界中から評価されています。

 

日本をはじめアジアの国には、身体は神々の住処であり、清浄に保つことが大切だとする考え方があります。

 

特に女性は、生命を宿して育む子宮という「宮」を持って生まれてきます。宮は、神社を意味する漢字です。

 

そう考えると女性が若々しさやみずみずしさを重視するのは、年齢に抗いたいのではなく、自分を大切にすることの意味なのかもしれません。

 

 

続いて、実は“常若”を知らずのうちに意識してきた、私たちの生活の中の清々しさを保つ作法について紹介します。

 

 

次回

「“常若”に学ぶ、つねにみずみずしく、清々しく在るための2つの作法。」(2)

 

 

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