2022.5.26
なぜシミはずっとそこにいるの?シミが作られ続ける仕組み
風と光が心地よく感じるこの季節。
紫外線も強くなり、油断をするとうっかり日焼けをしてしまうことも。肌がヒリヒリしたり、赤くなったり、シミが気になってきたり。
そんなシミ。実は、私たちにとって必要なもので、生きた細胞を守る大切な日傘だということをご存知でしょうか。
前半では、シミが作られ続ける仕組みについて、紐解いていきます。
シミは悪者ではない。
肌細胞を太陽から守ってくれる日傘。
まずは肌とシミの関係について、詳しく見ていきましょう。
私たちの肌の奥には生きた肌細胞があります。強い紫外線に当たり続けると、それら細胞の核内にあるDNAに紫外線が直接吸収されて、DNAが傷ついてしまいます。
DNAの損傷は細胞にとって大きなダメージとなるのでその結果細胞は死んでしまいます。そのダメージから肌細胞を守るために日傘を差し出してくれるのが、肌の奥底(表皮と真皮の境界にあたる基底細胞の間)にあるメラノサイトという細胞です。
ここでいう日傘はメラノサイトが作り出すメラニン色素のこと。紫外線や刺激があると、肌細胞を守ろうとメラノサイトがメラニン色素の黒い粒(日傘)を作って細胞に送り込み、細胞はそれを配置して自分自身を守ろうとします。
肌をダメージから守るために肌細胞にメラニン色素が取り込まれている状態、これがいわゆる日焼けをして黒くなった肌です。
メラノサイトの周囲の細胞がメラニン色素を十分に取り入れると、メラノサイトの仕事は完了です。細胞はメラニン色素と共にターンオーバーしていくので、紫外線の刺激がなくなると、そのまま角質として排出されていきます。
黒かった肌は30日程度のターンオーバーを終えると元に戻るように、メラニン色素も本来はターンオーバーとともに排出され、元の状態に戻っていくのです。これが自然なメカニズムです。
では、なぜシミはずっとそこにいるの?
でも実際に私たちが悩むシミは、30日たっても、数か月たってもずっとそこにいますよね。
実は、シミ自体がずっとそこに居座っているのではなく、常に同じ場所で「シミが作られ続けている」のです。
これは、メラノサイトが何らかの理由でずっと働き続けて、新しい肌細胞にもメラニン色素を作り続けているということ。今見えているシミは必ずターンオーバーで出て行っているのです。
わたしたちはシミそのものをどうにかしようとするのではなく、働き続けているメラノサイトに着目する必要があります。
なぜメラノサイトは働き続けてしまうのでしょうか。その仕組みをもう少し詳しく見ていきます。
メラノサイトがメラニン色素を作るための指令を出しているのが、一番上の表皮細胞にあるNF-kB(エヌエフカッパービー)という蛋白質です。刺激に対して指令を伝達するスイッチがONになるとメラノサイトに伝わり、メラニン色素を作り細胞に渡し始めます。伝達スイッチは紫外線刺激などの「敵」がいなくなればOFFになります。
シミが居座る肌は、この伝達スイッチがずっとONのままになってしまっている状態なのです。NF-kBが、常に「肌を刺激から守り続けなければならない」モードになっているんですね。
その原因は、紫外線だけではありません。残念ながら化粧品も異物です。
メイクを塗る、強いクレンジングで落とす。コットンでふき取るなど、肌にとっては全部刺激であり全部異物にあたります。
何もしない肌がストレスにさらされない状況からすると、現代女性の肌は常にストレスにさらされています。PM2.5、ブルーライト、空調など、紫外線だけではなく様々な刺激が日常的に繰り返されることで、防御モードのスイッチがずっとONのままになってしまうのです。
つまりシミの対処法は、シミそのものでも、メラノサイトでもなく、そのNF-kBのスイッチを正常に戻してあげること。また、そこで起こっている炎症反応を鎮めてあげないことには、なかなか改善されていかないのです。
ストレスも深く関係している
NF-kB(エヌエフカッパービー)は、現代の慢性病のかなりのところを締める原因となっていると言われます。アレルギー疾患やがんの場合でも同じように、体内に入ってくる異物に対して体内のNF-kBが反応して慢性炎症を起こしていることが確認されています。
またそれは外からの刺激だけでなく、ストレスやホルモンバランスによっても活性化されるといわれています。
覚えておきたいのが、ストレスがあるときに紫外線を浴びると、いつもよりもシミになりやすくなるということ。わたしたちは内的ストレスがあるときは自分を守ろうとして外に対して過剰反応を起こします。そういう時にもNF-kBが反応し、メラニン色素が活性化します。
最近ストレスがたまっているな、というときはあまり紫外線を浴びない方がいいかもしれないし、まずはストレスケアをしてあげたほうがいいかもしれません。
また、紫外線や刺激、ストレスは意識できても、女性にとってコントロールが難しいのが、女性ホルモンのバランスです。
母ホルモンと言われる女性ホルモンのプロゲステロン、これも子供を守るために外部に対して非常に防御的になるホルモンです。妊娠をすると増えるホルモンとして代表的なものですが、女性は生理前の2週間、排卵から整理までの間もプロゲステロンが豊富になります。また、更年期でエストロゲンが下がった方はプロゲステロンが増え、ホルモンバランスは妊婦さん状態に。刺激に対してシミができやすい状態になるのです。
シミになりやすい生理前の2週間やストレスがある時は余計にお肌をケアすることをしてあげてください。
原因別の3つのシミのタイプや対策について、詳しくはこちらのコラムでもご紹介しています。
≫そのシミの原因は日焼けじゃないかも。原因と対策別、3つのシミのタイプ
次回のコラムでは、後半は HANA ORAGANIC の「ホワイトジェリー」、「オーガニックホワイトクリーム」を使った具体的なシミ対策についてお話します。
≫肌の機能を守りながら、シミを作り続けない肌に。 ホワイトジェリーをつくったわけ