肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2022.8.18

スタッフ研修の内容を公開。 「一生使える肌知識」

 

みなさん、肌のことをどれくらい知っていますか。どれくらいの厚みがあるのでしょう。どんな機能があるのでしょう。肌のターンオーバーって、実際どんなことをしているのでしょう。

 

HANA ORGANIC では、社員が入社すると女性も男性も関係なく、化粧品や成分のことよりも先に、一番最初に肌のことを学びます。

 

私たちは自分の肌のことを意外と知りません。ですが、肌のことを知れば知るほど、製品を自分で選ぶことができるようになります。必要のないものはやめることもできるし、製品を選ぶ際にも高い方が良いものだとついつい思ってしまいがちですが、リーズナブルでも良いものもあるということを判断することができるようになります。

 

そのため、社員研修のときも最初に学ぶのは肌のことや脳のこと、心のことなのです。

 

社員研修ではファクトブックと呼ぶ資料を使い、合計10時間程をかけて、じっくりと肌身体のことを勉強していきます。

 

ファクトブックには、製品の開発に行きつくまでに参考にした様々な研究論文や資料がまとめられています。睡眠のこと、肌のこと、炎症のこと、製品が生まれるまでに必要な全ての根拠が詰まっています。

 

私たちはどうしても製品や成分のことについては詳しくなりがちですが、肌のことになると意外と知らないものです。ネットでは、何かを売るために作られたサイトの中で、製品や成分を中心にした情報は簡単に探すことができますが、実は肌のことが体系的に書かれていることは非常に稀で、私たちはなかなかその全体像を把握することができません。

 

例えば、どのようにして生きている細胞が死んだ細胞になるのでしょうか。

 

ターンオーバーという言葉はよくご存じかと思いますが、生きていた細胞がターンオーバーして剥がれ落ちる過程について、私たちはあまり理解していませんよね。

 

実はそこに生命の神秘があり、私達の肌を綺麗にする秘訣がたくさん詰まっているのです。

 

 

 

 

肌はどこから来て、どこへ行くのか

 

表皮で起きていること~自死する細胞~

 

肌図を見てみましょう。

 

表皮の一番上にあるのが角質層。一番下に基底層という層があります。棘のある細胞が並ぶのが有棘層と呼ばれる層です。

 

この基底層からだんだんと細胞分裂をして上へと押し上がっていき、上の皮がぺらっと剥がれることで新しい肌に生まれ変わることをターンオーバーと呼びます。

 

私達の肌の層の一番下の、生きた細胞たち。それらは上へ上へとターンオーバーしていくときに、だんだんと形を変えていきます。

 

肌がきれいかどうか、見た目に関わる表皮の一番底には基底膜という膜があり、その下には真皮と呼ばれる層があります。真皮となると、もはや体内です。表皮は生きた細胞と死んだ細胞で出来ているので。体の中のような場所でもあり外でもあるというとても絶妙な場所になります。

 

 

 

 

なぜ表皮と真皮の間には基底膜があるのでしょうか。

 

お風呂にしばらく浸かっていると、私たちの肌の表面はふやけてしまいますが、お風呂の水はそれ以上内側には入ってきませんよね。表皮の中でも層を下るごとにだんだんと入りづらくなる形になっており、最悪の場合でも一番最後の基底膜以下には絶対に通さないようにシャットアウトしています。基底層から下は生きた細胞たちがいて、血管も通っている「臓器」なのです。

 

この基底膜の上に2種類だけ、メラノサイト肌細胞(基底細胞)が乗っかっています。この細胞たちが細胞分裂して上へと押し上げられ、だんだんと死んでいくことによって、いつも新しい強い肌が作られているのです。

 

 

私達の細胞は生きた細胞が分裂しないことには新しく生まれ変わらないので、毎日毎日細胞分裂しています。けれど最後は死んで肌を守るための物質になってもらわないと困りますよね。そのため、実は細胞はこの途中で自死をしていきます。

 

 

 

肌は最終的には一枚岩のような層になる必要があります。

 

最初は一つ一つ別の形をしていた生きた細胞が、「僕たちは一枚岩になって肌になるんだぞ」というときにスクラムを組むのです。お互い隣り合う細胞同士が支え合って、一体化していきます。これが有棘層です。

 

 

 

この後、細胞は角質となるためのブロックと糊の役割を持つ成分を自身の中に作っていきます。

 

その際に色々な粒のようなものができてくるので顆粒層と言われています。この顆粒層が出来ていく頃には、この中にあった細胞の中の生きてる証拠であった細胞核とよばれるものががだんだんと抜け落ちて死んでいくのです。

 

 

 

 

そして最後は、この細胞がくしゃっと壊れて、周りにあった細胞壁と呼ばれる細胞の壁が角質のブロックになります。ケラチンというタンパク質の壁がブロックに、顆粒層で作ったいろんな細胞液成分が糊(のり)になっていきます。

 

 

 

 

NMF(ナチュラルモイスチャライジングファクター)という細胞の中に入っている潤いを作る成分やセラミドといった成分は実は元々はこの糊、細胞液から出来ています。

 

つまりそもそも肌というのは、生きた細胞がだんだん死んでいく過程の中で、生きた細胞が変化することで肌になっていくものなのです。この一番上の皮を構成するものは角質と呼ばれ、ブロックとその角質を繋ぐ糊できていて、この糊がNMFセラミドという保湿成分なのです。

 

これらがどこから来るかというと、細胞の周りにあった細胞壁がちょっと潰れて、ブロック(ケラチン)になる。中にあった細胞液がでてきて、周りを埋める潤い成分になっているんですね。

 

 

 

 

表皮で起きていること:2つの自己保湿

 

私たちの肌には、2つの自己保湿があります。

 

よく肌には皮脂膜があると言われていますよね。毛穴から出る汗と皮脂、これが混ざって表面にクリームのように膜が張っている状態、これが皮脂膜です。年齢とともに皮脂が出づらくなるので、皮脂膜の量も年齢とともに少なくなっていき、乾燥を感じやすくなります。

 

けれども、実はもう一つ別の保湿成分があるのです。

 

例えば皮脂の出ないかかとや脛なども、基本は潤っていますよね。なぜかというと、細胞が自死して表面へと上がっていく過程で、細胞液が潤い成分に変わっているのです。

 

肌は必ずターンオーバーしています。しなかったらおそらく、すぐにいろんな菌にやられて腐ってしまうでしょう。肌が腐っていないということは必ず毎日生まれ変わっているということ。生まれ変わっているということは、必ず細胞液がそこで破れて中から井戸水のように湧いてくる潤い成分があるはずなのです。

 

皮脂の分泌量がどんなに下がっていっても、細胞がいつも元気で細胞分裂をしていれば私たちの肌には細胞から作られる潤い成分がきちんと生み出されています。

 

 

 

一方、メラノサイトの役割は、メラニン色素を細胞に入れていくことで一番下の生きている細胞を守ることです。

 

メラニン色素で細胞を黒くすることで、色素で入ってくる紫外線を吸収させ、生きた細胞に届かないようにする日傘の役割をしています。

 

そのメラニンが私たちが厄介者扱いするシミの正体です。基本的にはターンオーバーで肌ができていく過程で細胞がクシャっと破れるとメラニンの粒も角質層の中にばらまかれて、一見黒くなったりシミに見えますが、これも最終的には剥がれ落ちていくものです。

 

そのため潤いシミも、細胞がちゃんと生まれ変わっていれば何も問題がありません。

 

これまで表皮の話をしましたが、実は肌が綺麗になるための主役となる細胞が、真皮の中にあります

 

 

後編に続く

≫「栄養」と「排泄」- 肌の真皮で起きていること。【一生使える肌知識(後編)】

 

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