2025.2.18
二十四節気を意識して、自然のリズムに沿ったセルフケアを。~雨水の時期に取り入れたい食養生~
日本の伝統的な暦である二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年を24の季節に分け、自然の移ろいを細やかに感じることができる古来からの知恵です。農業や暮らしの指針として活用されてきたこの暦は、私たちの心と体のケアにも様々なヒントを与えてくれます。
屋内の空調設備の整った環境にいることが多い現代の私たちは、季節の変化を意識せずに生活しがち。二十四節気を意識して、自然のリズムに沿ったセルフケアを取り入れることで身心共に健やかな状態に保つことができます。
そんなセルフケアの中でも特に「食べること」は、自然の恵みを体内に取り込む、まさに自然のリズムを取り入れる行い。今回は、二十四節気の一つである「雨水(うすい)」に焦点を当て、この時期にぴったりの食養生の方法をご紹介していきます。
雨水(うすい)とは?
雨水は、立春の次に訪れる節気で、2月18日から3月4日頃までの期間を指します。
この時期になると、降る雪が雨へと変わり、寒さが少しずつ緩んできます。昔から農業の準備を始める目安の時期ともされていました。
大地が潤い、春の訪れを感じる時期ですが、朝晩の冷え込みは依然として厳しく、寒暖差が大きいのも特徴です。
この寒暖差が体調を崩す原因となるため、体を冷やさない工夫や、冬から春へと移り変わる時期に適した食養生が重要になります。
雨水の時期におすすめの食養生
1. 体を温める食材を取り入れる
寒暖差が大きい雨水の時期は、体を冷やさないようにすることが大切です。特に朝晩は冷え込むため、体を温める食材を積極的に摂りましょう。
●生姜・ねぎ・にんにく
血行を促進し、体を内側から温める効果があります。スープや温かい料理に取り入れましょう。
●根菜類(大根・ゴボウ、ニンジンなど)
消化を助け、体を温める作用があります。煮物や味噌汁に取り入れるのも手軽にとれるのでおすすめです。
【生姜と大根を使った温活レシピ】
▼生姜と大根のほっこりスープ
・大根 1/3本
・生姜 1片(すりおろし)
・ねぎ(小口切り) 適量
・昆布 5cm角1枚
・干し椎茸 2枚
・塩 少々
・水 500ml
・ごま油 小さじ1
【作り方】
1.鍋に水500mlを入れ、昆布と干し椎茸を30分ほど浸しておく。
2.浸した昆布と干し椎茸を弱火で加熱し、沸騰直前で昆布を取り出し、椎茸は薄切りにする。
3.大根は皮をむいて薄めのいちょう切りにする。
4.別の鍋にごま油を熱し、大根を軽く炒める。
5.先ほど作っただしを加えて中火で煮込み、大根が柔らかくなったらすりおろした生姜を加える。
6.塩で味を調え、器に盛り、ねぎを散らして完成。
★ごま油の香ばしさがほのかに香って、大根のホクホク感が美味しいスープになります。
▼生姜と大根のホットはちみつドリンク
・大根(すりおろし) 大さじ1
・生姜(すりおろし) 小さじ1
・はちみつ 小さじ2
・熱湯 150ml
【作り方】
1.カップに大根と生姜を入れる。
2.熱湯を注ぎ、はちみつを加えてよく混ぜる。
3.5分ほど置いてなじませ、ゆっくり飲む。
★はちみつが喉の粘膜を保護してくれるので、咳が出る時などにもおすすめです。
2. 春の訪れを感じる食材を取り入れる
冬に蓄積した老廃物を排出し、春に向けて体を整えるために、春の食材を積極的に摂りましょう。
●菜の花・ふきのとう・せり
これらの春野菜には、デトックス効果があり、肝機能をサポートしてくれます。
おひたしや和え物にすると美味しくいただけます。
●柑橘類(ゆず・みかん・はっさく)
ビタミンCが豊富で、免疫力を高める効果があります。
果物としてそのまま食べるほか、ドレッシングに活用するのもおすすめです。
雨水(2月18日~3月4日)の約2週間は、冬から春へと移行する変化の大きい期間。
寒暖差から、体調を崩しやすくなる時期だからこそ、食養生を意識することが効果的となります。
最初の1週間は満月へと向かっていく時期でエネルギーを貯めやすい期間のため、「1.身体を温める食材」をとることを特に意識してみてください。
また後半の1週間は新月へと向かっていく時期でデトックスに良い期間となりますので、「2.春の訪れを感じる食材」を積極的に取り入れてみましょう。
自然の一部でもある私たちの身体や心も、冬から春に向けての準備を進めていきます。
セルフケアの最も大切なことは、自分の身体と心の声に耳を澄ませること。
自然の恵みを頂きながらしっかりと自分と向き合っていきましょう。
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