2021.4.21
呼吸でいつでもわたしに還れる。お腹の底とつながって、純度高く生きたい。(まりさん 後編)
違和感を覚えながらも、まわりにあわせて我慢をし続けた学生時代。作業療法士として働くうちに、あまりにも自分とのギャップが大きくなりすぎて、ついに仕事を辞めてハワイにいったまりさん。そこでヨガと瞑想を学ぶうちに、大浄化が起きて本当のわたしに還っていく経験をされたそう。後半ではそこから今の講師としてのお仕事に至るまでをお伺いしました。
https://www.instagram.com/0928_mari/?hl=ja
≫たくさんの憤りも違和感も、すべてが浄化されて本当のわたしに還っていく時間(まりさん 前編)
わたしがわたしであることの喜び
◆なかなかできないすごい経験ですね。ハワイの一カ月間の中で、自分に許しをたくさん与えて、玉ねぎのように皮をむいていって、最後に出会ったまん中にあった自分はどんな自分だったんですか。
◇どんな自分だったんだろう。えっと・・・・なんかすごい・・・、すごい喜びだったんですよね・・・。一気に軽くなって。今までわたしは誰を生きていたのだろう?という感じで。なんにもないのに嬉しいみたいな感じになって。わたしがわたしであることの喜びみたいなものを、初めて味わった感じでした。
何かないと、何かをしないと、ではなくて。もうそういうのは本当になくなって。あ、自分に帰ってきた、戻ってきた、という感じでした。
◆じゃあなんか、ものすごいわくわくしてきましたよね、きっと。わぁ、これからどうしよう、何をしよう、楽しみだなぁ~ってなったのではないですか。
◇そうですね、それまで不安ベースで生きていたものが一気に安心に変わって。自分もそんなふうに真ん中に戻ってこれた体験をしたのだから、わたしは絶対にヨガをみんなに伝えるんだという気持ちもどんどん大きくなりましたね。
ヨガを学びに行ったのですけど、大浄化が起こったのは、メインティーチャーがしてくれたチャクラ瞑想だったんですよ。そこで一気に人生のいろいろが整ったので、瞑想も学ぼう、教えるようになりたいと思うようになりました。
◆じゃあそこから日本に帰って、今に至るヨガと瞑想の発信者になったんですね。本当にご自分の道が開けた感じですね。
なんか投稿を見ているとその充実ぶりがじわじわと伝わってくるのと、あとはご主人との関係が本当に素敵ですよね。なんかとても空気感が似ていて、穏やかで、素敵なご夫婦だなぁって。
彼はいつもそばにいて、背中を押してくれる存在
◇なんかそんな風に言われると恥ずかしいです・・・。(笑)彼は理学療法士で、もともと大学が同じだったんです。
◆あぁ、じゃあ、まりさんの中で大激変が起こるのも、彼は傍らで見ていたんですね。
◇そうですね、見ていてくれて。彼はすごいバイタリティ溢れる人で、いつも背中を押してくれていました。なんか彼の存在もそうですし、いろんな転機が次々に訪れるようになって。よりわたしに還っていけた気がします。
でも正直、日本に帰ってきたときには、あぁ、日本ってこういう文化だったな、やっぱりわたしなじめないかも・・と本当のわたしに還った分、わからなくなっちゃったり。
ヨガを伝えたいけど、今流行っているヨガは自分が伝えたいものと違っていると感じたり、なんか競争社会だったりして。しばらくは悩んだりしていましたね。でもだんだんとわたしが伝えたいヨガはこれだから、もうこれでいい、と思ってブレなくなっていった気がします。わたしの言葉で伝えていこうって。
◆まりさんは自分で感じてつかんでいくことと、あとはやっぱり学んだり知ることをすごく大切にしている気がします。学ぶこともお好きですか。
スピリチュアルと、サイエンス。どちらも大切にしたい。
◇そうですね、新しいことを知るということはとっても楽しいし好きですね。できるだけ感じていることをただ精神世界的なところに頼るのではなく、地に足の着いた何かを持った上で、バランスさせたいという気持ちがありますね。
だから感覚と知識両方を持ちたいと思うので、解剖学とか脳科学とか心理学もできる限り学んで、その上でじゃあわたしはどうするということを考えて伝えていきたいですね。
◆なんかその感覚、わかりますね~。サイエンスとスピリチュアリティってなんか両輪の方が安定する感覚、ありますよね。
◇そう、あるんです。信じる者は救われるという言葉も確かにあるけど、なにかにすがることって確かにその時はその人を強くはするけど、もしそれがなくなったら一気に弱くなってしまうような、足場の弱さみたいなもの、しなやかな強さとは違う、という感覚があって。
柔軟に適応できるのが、理想だなと思いますね。
◆そうですよね。やっぱりスピリチュアリティだけとか。目に見えている論理だけ、とか。どちらかだけなら確かに狭いし信じれば楽だけど、楽なものってどこか危うい感じがありますよね。
◇本当にそうなんですよ~。ハワイのティーチャーがヤシの木みたいに生きたらいいよ、と教えてくれて。ヤシの木はわっさわっさ嵐の日にはすごい揺れるけれど、しなやかで根っこがめちゃくちゃ強いから、どんなにハワイで嵐が来てもひっくり返らない。だからグラウンディングをしつつ、しなやかに生きなさいと教えてもらって。
◆なんかわかる気がしますね。わたし(林田)はフラをやっているのですけど、やっぱりハワイアンの方々のフラを見ていると、なんかスピリチュアリティと身体性とかそういう ものがもう混然一体と当たり前のようにある感じがしますよね。スピリチュアリティと現実世界をわけていなくて、そのつながりがすべてグラデーションというか。根のはったスピリチュアリティを感じますよね。
今の現代日本では両輪である必要があるかもしれないけど、本来はそうやって一体化したものなのかもしれませんね。
◇この間、林田さんからHANA ORGANICの開発背景のお話を伺った中でもフラの話が出てきて。フラは自分の中のMana(マナ)を貯めたり高めるためのもので、ロミロミはそれを人に与えていくもの、というのがすごい印象的で。
わたしも自分の屋号をManaCare(マナケア)という名前にしていて。森羅万象がもつエネルギーをみんなで使ったり、それぞれが発揮できるようにしたいという思いがあって。
なんかロミロミを元々勉強したいと思っていたけど、ますますこれはコロナが終わったらハワイに勉強にいかなきゃ、と思いました。
◆まりさんは本当に知的好奇心であふれていますよね!まりさんのロミロミも楽しみです。ヨガって単純に身体を鍛えるだけでなくて、呼吸とか瞑想とか三位一体だと思うのですけど、まりさんご自身は身体にはどんな変化が起きていきましたか?
呼吸がすべてを教えてくれる。お腹の底とつながる、本物の呼吸。
◇そうですね、体が柔らかくなったというのはもちろんありますけど、とにかく心地よくなりましたね。どこかがだるいとか、痛いとか、そういうのがなくなって、こんなにも心地よく過ごせるものなんだなぁと思うようになりました。
でも生徒さんに話すときは、実は体のこととかはあまり言わないんです。ずっと息や呼吸のことばかり言っているかも。とにかく呼吸を深く深くしていくこと、呼吸ってこんなにも深く入るしそれだけで体も緩むし、呼吸でどれだけ体と心が変わるのか、ということを伝えています。
頑張りすぎているのも、さぼっているのも、ぜんぶ呼吸が教えてくれる。
◆なるほど。ハワイに行く前のまりさんはどんな呼吸をしていたんでしょうね。
◇すごく苦しくて浅い呼吸をしていたと思います。なんか偽物の呼吸、つくろう呼吸、そんなものの塊だったなぁと。
◆今のまりさんは本物の呼吸ができるようになって。バランスもとれるようになったかと思うのですが、それでもすごく嫌なこととか日常ではいろんなことがおこりますよね。そういうときはどうするのですか?
◇そうですね、呼吸をして息をずっとつないでいくと、腹の底とつながって、そのおかげで還りたいところに戻ってこれるような気がしています。それで自分の気持ちも調整しているのだと思います。
◆呼吸が一番深くお腹の底まで届いているときって、どんな状態なのでしょう。
◇なんていうのかな・・・・。安心しているんですよ、すごく。すごくにごりがなくて。
びっくりするほどの安心感と透明性がある感じ。で、別々感もなくて。本当にみんな一緒というか、いい意味で自分はひとりじゃないと感じれるような・・・・
◆わぁ、素敵ですね・・・・。すっごい満ちている感じですね。まりさんのレッスンを受けている方はそんな景色があるんだぁってたくさん気づきがあるんでしょうね。どういうシチュエーションだとそこに行きやすいですか?
◇わたしは一日の始まりに瞑想するのが好きですね。朝まだみんなが起きていないくらいの早い時間、まだなにも汚れのない地球の始まりの新鮮な空気を取り込むときが一番深く瞑想にはいれますね。
あと、やっぱり自然の中で瞑想するのもすごく気持ちが良くて。わたしは海の近くとか砂浜や芝生に座ったりとかすると、もうほんっとに気持ち良くなります。そこで瞑想したあとは全然声が変わります。
自然からたくさんエネルギーをもらうと、そんなに力んでないのに声がやたら大きく出るようになったり。
◆海や自然の中で、誰にでもその場でちょっとできることってありますか。
◇仰向けでもいいし座ってでもいいから、まぶたをとじて自分のために呼吸をしようと思って呼吸してみてほしいですね。それだけでつながっていけるというか、癒されると思います。
視覚情報を遮断して自分の五感を内側にむけてあげようってするんです。自分の中に向けて、自分の体内の音をきいてみたり、自分のために自分に送りたい呼吸をしてあげようと思ってやったらきっとできると思うんです。もともとそういう能力をみんなが持っている気がします。
◆みんなもともとそういう能力を持っている。素敵なお話ですね。
わたしはダイビングをしていたんですけど、先生が365日真冬でも雪の中でも潜る方だったんですけど、その方がまた呼吸のプロで。
15年くらい前にはじめて潜ったころ、仕事がすごく忙しくて呼吸が浅かったんですけど、すぐ見抜かれて。ダイビングって呼吸が見えるんですよね。ぶくぶくぶくって泡で。だから泡を見たら心の中までお見通しなんですよね。
それでドキドキして呼吸が浅くなっていると、先生が目を見てくれて、自分の泡を指さして呼吸をあわせるようにって言うんです。で、それにあわせていくと心が落ち着いてきて、すごく視界が一気に広くなっていくんですね。
◇あぁ、すごくそれわかります。瞑想も呼吸の深い先生と一緒にしていると先生がひっぱってくれるからすごい入りやすかったりします。呼吸が見えるというのも、面白いですね。
純度高く命を全うしたい。
◆まりさん料理も好きですよね、ヴィーガンのお寿司かわいかったです~。
◇そうですね、家ではヴィーガン料理を作っています。外ではみんなでワイワイ楽しく食べることを優先しているので、食べるものは広がりますけど。
お料理は結構好きで、レシピを見ずに冒険しながらチャレンジするかな。創作的に絵を描くように、楽しく作っていますね。
◆まりさんの投稿で、欲望についての発信があって。お魚がきれいなお水がほしいのはいいよね、それって生命としての欲求だよねって。欲望と生命の欲求の違い、ですよね。欲望はついついだめなものだから手放さなきゃと思いがちだけど、湧き上がってくる魂の奥底からの欲求みたいなものはいいんじゃない、という投稿がすごく印象的でした。そういう意味でのまりさんがほしいものは何でしょうか?
◇そうですね・・・・・、より純度を高く生きたい、ということですかね。自分らしく自分の命を全うしたいというのが一番エネルギーの強い欲求だと思います。そしてそれをヨガや瞑想でできることを教えてもらったから、自分らしくいれずに困っている人がいたら、サポートしたいなって心から思っています。ヨガと瞑想は手段だから、なんでもいい んです。その人らしく純度高く生きられることが大切だと思っていて。
◆なんかまりさんたちの世代って、すごく生まれたままで悟っているようなありのままの感じが本当に素敵ですね。わたしたち世代はやっぱり「~せねば」が強かった時代だったから。自分らしくあることと、社会でがんばることに大きな乖離があって、なかなか一致させるのが大変だったりしたなってってお話伺っていて感じました。
◇でもそういう先輩たちがつないできてくださったからこそ、今こんなにわたしたちがありのままで自分らしくいられるようになったんだろうな、と思います。だからこそわたしたちも次の世代に、よりよくなるようにできたらいいなぁと思いますね。
◆そうですね。今まではみんな欲望を拡大させてきて、どこかそれがいきすぎて地球1個分の暮らしをはみ出しちゃったから、これからは何かを我慢するのではなく、わたしらしくあることが何かを持つよりも幸せという感覚がみんなに伝われば、地球一個分の暮らしに戻っていくんじゃないかなぁって思いますよね。我慢するのではなくて、ただ自分であるがままで満ちるようになったら、資源もたくさんつかわなくていいし、女性たちがその境地にいたったら、早いのになぁって。
◇本当に私もまさにそう思います。女性の幸せってそのまま家族の幸せですよね。
ただ最近はオンラインで男性にヨガを教えることも増えてきたんです。女性たちは強くなってきたし、今まではどこか女性は家で家事をして男性は外に出て働かなくてはいけないとかあったけど、男性も変に家族を背負わないといけないとか、そういうプレッシャーをなくして、ありのままで肩の力を抜いて自分を楽しむ人が増えてもいいんじゃないかなぁと思って。男が稼がなきゃ、頑張らなきゃと思いすぎない方がフラットで気持ちいい社会になるような、それでもいいのかなって思います。
◆なんかそんな輪がつながって優しい社会が実現できるようなことを一緒にやっていけたらいいですよね。
◇わぁ、わたしも本当にそう思います。うれしいです。あとなんかこれからの新製品の話とかもすごく気になっていて、今度そんなお話もまた教えてもらえたら嬉しいです。HANA ORGANIC のバラの香りは本当に自然で、バラの香りはあまり好きじゃなかったんですけど、これはとっても好きだったんです。友人にも紹介したら、コンセプトにも共感してとても喜んでくれて。
◆わぁ、うれしいです。ありがとうございます。
肌、髪、身体、本当のわたしに還るために、なんか今の生活の中で違和感があることは解決していきたいなぁと思っています。たとえば服とか、着ることって実はこの100年くらい で一番大きく変化して、なんか欲望に振り回されて見失ってきたものだと思うんですよね。そんなものも探求していきますので、またぜひいろいろお話したいですね!
今日は本当にありがとうございました。まりさんのこれからの投稿、発信も楽しみにしています!
◇ありがとうございました!わたしもとっても楽しかったです。
オンライン越しにでもまりさんの透明感あふれる感じが伝わってきて、お話しているだけで呼吸が深くなるような時間でした。改めてまりさんが大切にしていることをアンケートするとともに、メッセージをいただきましたのでご紹介します。
【自然や森羅万象とつながっているなぁと実感するのはどんなときですか?】
抗うことをやめたのに、ぽんぽん物事が導かれるように進んでゆくとき。
自然と少し触れ合っただけなのに、ものすごく幸せな安心感が内側に生まれて
あらゆる欲望が薄くなって、既に満ち足りているのだと気づかされるとき。
華やかで煌びやかな雰囲気を纏った人の反対の一面を感じたときや、
とっても大人しそうな人のパワフルさやアクティブな表情をみたとき、
みんな根底ではつながっていて、一緒だよね。と、世界がでこぼこだけれど平らに感じられるとき。
【あなたにとって満ちる時間とはどんな時間ですか?】
”ただいる”
”ただ存在している” を感じる時間
【そのために大切にしていることを3つ挙げてください。】
1
大切な人と、特に何もしない、何気ない時間を共有すること。
予定を詰め込みすぎず、一人で何もしない時間をつくること。
2
定期的に、自然の中に身をおく、自然に触れる時間をつくること。
芝生で寝そべったり、海でぼ〜っとしたり、植物や土を触ったり。
3
できるだけ物を持たず、身軽でいること、シンプルに暮らすこと。
纏う洋服や、日頃から使うもの、食べ物、飲み物、、、等
できるだけ、素朴に輝いているものを選ぶこと。
【フォロワーのみなさんや、HANA STORIES の読者へのメッセージをお願いします。】
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
文化的、社会的な概念やルールが、時に息苦しく、肩身狭く感じることもあるかと思いますが、それに負けないくらい、本当の自分がもつエネルギーや可能性はパワフルなものだと思っています。
たんぽぽがたんぽぽとして生まれ、死んでゆくように、
ばらがばらとして生まれ、死んでゆくように、
私たち人も、それぞれがそれぞれとして生まれ、生き、死んでゆく、
そんなことが当たり前の世界に戻ってゆくことを願い、信じています。
みんなが、心地良く幸せに、自分自身を生きられますように。
素敵な機会をありがとうございました。
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