2019.8.30
育毛に効果的な和漢植物
髪の毛は、その人の食べたものや睡眠・ストレスなど様々な情報を反映しながら毎日少しずつ伸びていきます。大切に寄り添った髪が抜けていくことは女性にとってかなりショックで悲しいことです。だけど巷にはたくさんの育毛剤があり、何が効果成分なのか分からないと悩んでいる方も多いでしょう。
▼まずは頭皮の炎症の原因を知りましょう
紫外線や酸化ストレス*など、日常的な外的ストレスは頭皮の慢性炎症の原因となり毛髪の新生にも関わる毛根に影響を及ぼします。
*酸化ストレス= 体内の活性酸素が自分自身を酸化させようとする力のこと。老化を促進する一つの要因。
健康的な頭皮から丈夫な髪を育てるために、まずは昔からの伝承的な方法を取り入れてみませんか。ここでは、抗炎症効果や血行を促し抜け毛を防ぐ効果をもつ和漢植物をご紹介します。
▼抗炎症効果をもつ和漢植物
【トウキエキス】
トウキ(当帰)は日本の産地に自生し、各地で薬用の目的で栽培されています。トウキの根を湯通しして乾燥したものを当帰といい、古来から著名な漢方生薬として、浄血、鎮静、強壮に用いられ、特に婦人病の諸症状に使われてきました。 成分は貧血に効果のあるビタミンB12などを含んでおり、ほかに抗炎症作用、殺菌作用、鎮静作用があります。
【オウバクエキス】
オウバク(黄柏)またはそのほか同属植物の樹皮から抽出して得られます。消炎作用、収れん作用、抗菌作用があり、化粧品に広く用いられています。
【スギナエキス】
スギナの胞子茎がツクシであり、日本でも全国的に見られます。スギナエキスには、抗炎症作用、収れん作用、止血作用など薬理作用があり、皮膚の代謝を促進させるといわれています。皮膚と同じように頭皮の老化を防ぎ、ハリを保ちます。
▼めぐりの効果をもつ和漢植物
【ニンジンエキス】
薬用のオタネニンジンの根から抽出して得られます。オタネニンジンは別名、チョウセンニンジン、コウライニンジンといわれ、朝鮮や中国の原産で各地で栽培されています。古くから薬用として珍重され、特に強壮、健胃薬として使われています。代謝促進作用、血行促進作用があり、化粧品に配合すると、肌荒れ、小じわ、にきび、脱毛、フケ防止などに効果があります。
【ジオウエキス】
ジオウエキスはアカヤジオウ、またはそのほか同属植物の根から抽出して得られます。漢方薬としてジオウ(地黄)は古く奈良・平安のころに、すでに中国から輸入されていたといわれています。日本では江戸時代に薬用植物として栽培されていました。皮膚の柔軟化、保湿、細胞賦活の作用があり、様々な化粧品に取り入れられています。
▼育毛の効果をもつ和漢植物
【ソウハクヒエキス】
クワの根の皮を乾燥させたものから抽出したエキス。クワの根のことを桑白皮といい、漢方では高血圧症の予防、疲労回復、強壮などに使用されています。化粧品に応用すると、美白や消炎作用、発毛促進作用、フケ・かゆみの防止作用があり、基礎化粧品、頭髪用化粧品などに使用されています。 また、育毛効果の実験がなされ、休止期毛を成長期毛に変える効果があるということが報告されています。
【センブリエキス】
日本の民間薬の代表格とされ、日本各地の山野に野生しています。 古くから健胃薬として使用されており、化粧品等では頭皮の血行を促進し、発育を促す目的で育毛剤に配合されています。皮膚の老化防止と脱毛症の治療にすぐれた効果が期待できます。
▼まとめ
- 刺激が強いケミカルな薬剤もあるため、育毛剤を買うときは配合成分をチェック!
- 昔から利用されていた植物の力で自分の再生力を高めてみる
【参考文献】
『化粧品成分用語事典2012』鈴木一成/著
『漢方を活かす』ステファン・クムリク/著
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