肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2012.8.9

失われた50年。日本の伝承的な植物療法。

みなさま、こんにちは、開発者の林田です。
今年の夏は、どのようにお過ごしでしょうか。

 

私は例年の海で過ごす夏を路線変更して
今年は高原でゆっくりと過ごしてみました。

 

九州は自然がいっぱい、その中でも雄大な阿蘇から
久住にかけてが特にお勧めです。

 

 

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高台にある温泉付きのお部屋でごろごろしながら
(九州はかなりリーズナブルでよいところがあります。。)

 

日がな一日、空を見て、風を感じて、緑の香りをかいで
自分の中の細胞が浄化されていくような時間を過ごします。

 

ふと森の民だった縄文時代・・・そんな古い血の記憶まで
甦ってきそうな原始の魅力あふれる大地。

 

自分が自然の一部だったことを思い出すと、
体中が活性化される感じがするから、不思議ですよね。

 

さて今日はそんな太古の時代から、自然と共に生きる感性の中で
生まれ、伝承され、形を変えていった「美容」についてのお話をしましょう。

 

■日本の化粧品、スキンケアの歴史

 

私たちが毎日当たり前のようにしているお肌のお手入れ。
また身だしなみとしてのメイク。

 

 

女性は、いったいいつからこのような習慣を持ち始めたのでしょうか。

 

そして私たちが毎日当たり前に行っているお手入れは
どういう背景からその形になっていったのでしょうか。

 

歴史を振り返ってみると、有史以前から

 

呪術や祭り魔よけの道具として

 

また虫除けや日よけなど厳しい自然環境から自らを守るための道具として

 

化粧品を用いた形跡が世界中で残されています。

 

日本でもすでに古事記や日本書紀に記述が残っていたり
古墳時代の埴輪から赤色顔料を顔に塗る風習があったことがわかっています。

 

原始的な化粧から美意識にもとづいた化粧へ発展したのは、6世紀後半,

 

大陸や半島文化の輸入とともに、紅、白粉などの化粧品をが
日本に入ってきてからだと言われています。

 

平安時代には、唐風模倣から日本独自の化粧へと変化し

 

長い黒髪に白粉を塗り
眉を抜いて額の上部に眉を描き
お歯黒[はぐろ]、

 

といういわゆる「平安美人」というものが生まれました。

 

さらにこの頃「医心方」という体系的な医学書に、
肌を健やかに保ち肌を養生するというスキンケアに関する記述が
初めて文献化されています。

 

 

1000年前にすでに美容本があったということですね。

 

これらをもとに主に貴族の間で肌を健やかに美しく保つ方法として
スキンケアが母娘伝承されてきたと思われます。

 

また現代に続くスキンケアが大衆の間でも広がったのは
意外に新しく、江戸時代。その頃に銭湯が生まれ
ぬか袋で肌を磨いたという文献が残っています。

 

 

銭湯で洗う、磨く、へちま水を使うなど湿度の高い日本ならではの
「水美容の文化」の始まりといえます。

 

乾燥から肌を守る西洋の「オイル美容の文化」とは
根本的に発想が異なります。

 

このようにこの頃までは風土に根差し、数千年の歴史を経た
伝承的なスキンケア、化粧法が主流となっていました。

 

■大きく変化した日本の美容法

 

その後、 大正時代になると、女性の社会進出とともに、
スピード化粧や対人関係を円滑にするためのメイクが
少しづつ提案されていきます。

 

それにともないメイクを落とすための化粧、
メイクを落とし乾燥する肌を潤すための化粧など
コールドクリームやバニシングクリームなどもあらわれ
洋風化していきます。

 

大きなターニングポイントになったのが、
実は油田開発と第二次世界大戦。

 

 

1859年に初の油田開発ガアメリカで行われ、

 

第二次世界大戦後には石油から作られた合成品が
大量に出回るようになります。

 

メイクやスキンケアの原材料も合成で大量生産できるようになり
普及していきます。

 

日本には戦後、欧米メーカーの日本進出、
雑誌などメディアの発達によって

 

合成原料による化粧品が宣伝され、

 

女性の美容法はがらりと姿を変えていきます。

 

それまでの母娘伝承だった化粧法は、

 

雑誌から学ぶもの、メーカーから学ぶもの、海外から学ぶもの

に変わります。

 

最新の欧米の化粧法、メイクアップ法はたちまちブームとなり、
母親世代も娘に教わって新しい化粧法を取り入れるようになりました。

長い年月、風土に即して築き上げてこられた日本の化粧法は
ここである意味絶滅の危機に陥ります

 

1970年代に起こった化粧品公害といわれる
化粧品による皮膚トラブル訴訟事件までは
この化学化粧品ブームは続きます。

 

その後、精製度の低い石油由来成分によって
肌トラブルが起こることが広まり、
自然派化粧品への揺り戻しが起こりました。

 

この頃から日本古来から伝承される天然成分を見直すことや、
皮膚トラブルの恐れになる表示指定成分を除いた
無添加化粧品などがでてきました。

 

そして2000年前後からさらにナチュラル、ロハスといった
ライフスタイルが提唱されるようになると
伝承的な植物療法を基にしたオーガニックコスメ
注目が集まるようになります。

 

今でこそブームとなっているオーガニックコスメですが

 

戦後50年近く化学化粧品が主流の時代があったため

 

残念ながら伝承的な植物の知恵は

 

オーガニックコスメ先進国のヨーロッパや韓国と比べると

 

途絶えつつあるのも事実。

 

 

失われた50年を取り戻し、私たちの風土、生活、肌にあった
数千年の知恵に基づくオーガニックコスメ開発に
力を入れていく必要があるのではないでしょうか。

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