肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2022.1.21

陰陽五行を暮らしに生かす。季節ごとの養生法

一年の始まりの季節に、星のめぐりや自然界の移り変わりを観察して生まれた古代の叡智、「陰陽五行論」を2回にわたってご紹介してきました。

 

中国で生まれ、数千年前にはすでに日本にもたらされ、私たちの暮らしのあちこちに根付いている陰陽五行論。土用の丑の日にウナギを食べるのも、神社の赤い鳥居も、お正月の鏡餅や様々な行事も、すべて陰陽五行論から発展したものです。

 

今ではその意味が伝えられないまま形だけ残っているものも多くありますが、実はその衣食住を工夫する方法は、季節の移り変わりをじっくり観察して生み出された素晴らしい Holistic Care でもあります。

 

季節ごとの養生法をその仕組みも合わせてご紹介します。そこに込められた意味を知ることで、自然と響き合う感性を高めるきっかけになれば素敵ですね。

 

 

 

 

季節ごとに移り変わるわたしたちの身体。「土用」の期間も意識しましょう。

 

わたしたちの身体は季節の移り変わりに合わせて変化していっています。五行説では木・火・土・金・水の5つの要素に季節をあてはめて、さらにその時期に影響を受けやすい身体の部位を示しています。

 

「土」は各季節ではなくそれぞれの季節の移り変わりの時期を表し、具体的には立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を「土用」として設定しています。

 

土用の丑の日にウナギを食べる、という風習は、季節の変わり目で体調が揺らぎやすい季節に栄養をつける意味合いがあります。

 

この智慧を暮らしに生かすには、春夏秋冬に加えて、季節の変わり目のそれぞれの土用の時にも、その期間にあった衣食住の工夫をすることが大切です。

 

 

 

 

五行と連動する身体の部位、味、色を知って、Holistic Care に生かす

 

陰陽五行論では、五行のそれぞれに季節や方向だけでなく、身体の部位や色、味覚も設定しています。また「表現」としているのは、その要素が持つ性質のこと。私達がよりよく生きるために大切なことを、木火土金水の巡りの中できちんと行っていくことが大切だと考えられています。

 

たとえば「水」が支配する冬の暮らし方のポイントは、知性や理性が高まる時期なのでじっくり何か知識を蓄積するような暮らし方を心掛けます。腎に注意が必要な季節なので黒い食べものや塩辛味を借りて身体を養生していくことが大切です。

 

また、冬から春に向けて、季節の変わり目は「土」が支配する時期になります。この時期はしっかりと地に足をつけて、信用・信頼が増えるような行いをして、脾を労わり、エネルギーを集める黄色を衣服やインテリアに取り入れたり、甘味で身体を緩めてグラウンディングをすることが大切になります。

 

そして「木」の季節、春が来たら、積極的に人と愛情をもって関り、滞っていた身体を引き締める酸味のあるものを取り入れ、デトックスに忙しくなる時期なので肝を労わることが大切になります。何かを始める力を高めてくれる青を取り入れることも大切です。

 

 

このように季節の変化に対する感度を高めていき、暮らしを工夫していくことで、身心ともに健康で生き生きとした状態に導くことができるとされています。

 

 

 

 

冬におすすめの具体的な Holistic Care

冬に労わるべき腎は、腎臓だけでなく副腎、膀胱、生殖器なども含めた概念です。エネルギーを蓄え、代謝を整える働きを持つ部位で、冬はこの腎が弱まりがちになり、冷えやむくみ、乾燥などの悩みが深まります。衣食住の工夫をしっかりしていきましょう。

 

 

1.滋養があり血の巡りを高める黒い食材を用いる。

 

■黒豆と雑穀の薬膳粥

 

お正月の定番食材でもある黒豆は、おかゆにプラスすればより気軽にとれます。肝と腎の働きをバランスよく助けるクコの実を添えることで、水分代謝を整える主食ができあがります。

 

 

 

 

2.3つの首と腰を冷やさない

 

腎は冷えに弱い臓器なので、冬の寒さを我慢しすぎるとダメージを受けます。特に首、手首、足首の「3つの首」と腰は血管や神経が束になっているところなので、常に温かく保ちたいところ。マフラーや腹巻、手袋や靴下などでの保温や、足浴や半身浴を取り入れましょう。

 

 

 

 

3.住まいも水の巡りを停滞させない

 

冬は水の支配する時期のため、水を滞らせないことも気の巡りを良くするための大切なポイントです。台所のシンクやお風呂の排水溝など、水回りのお掃除をいつもよりも念入りに。水回りがきれいだと気持ちもスッキリして、滞りがちな気分を明るくしてくれます。

 

 

 

 

3回にわたって特集してきた陰陽後五行論。

 

何気なく行っていた風習や、直観的に感じる身心の変化も、伝承的な知恵を借りることで、自然とわたしの移り変わりの連動を知ることができ、行うべき Holistic Care が見えてくるのではないでしょうか。

 

 

すべては常に変化し続けている。変化を恐れることなく、楽しみながら味わっていく一年にしたいですね。

 

 

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