2019.8.30
大人の女性必見!シャンプー&界面活性剤の基礎知識
ノンシリコンシャンプー、オイルシャンプー、湯シャンと何かと話題は多いものの、本当に自分に合ったシャンプーが選べているのかどうか不安な方も多いのではないでしょうか。
40歳前後から皮脂分泌量が減り女性ホルモンバランスが変わってくると、髪や頭皮は大きく変化をし始めます。髪と頭皮の曲がり角を迎えたら、抜け毛、細毛、うねりなどの悩みが悪化しないためにも、普段何気なく使っていたシャンプーを見直すことが大切です。
そのためにもそもそもシャンプーはどんな種類があるのか、そのメリットデメリットなどをお伝えします。
▼シャンプーの目的と年代別の変化
皆さんはシャンプーをどこで購入していますか?化粧品の専門誌、週刊粧業の調べによると、化粧品を専門店や百貨店などで購入する人の割合は65.1%、それに比べてシャンプーは24.5%。シャンプーは香りや使用感の好み、価格などを目安にドラッグストアでカジュアルに買うことが一般的なようです。
ところが最近では 1000円未満の購入しやすいものが人気な一方で3001円~5000円の高価格帯のシャンプーも人気が出てきました。シャンプーの価格差はどんなところから生まれているのでしょうか。年代別にはどんなシャンプーを使っていくことが望ましいのでしょうか。
シャンプーの目的は頭皮や髪の汚れを取り除き、雑菌の繁殖を抑えて清潔に保つことにあります。汚れには体内から分泌された皮脂や汗、角質細胞(フケ)と、外部から付着したチリやホコリ、スタイリング剤などがあり、また水で落ちるものと油など水に溶けないものに分けられます。
実際に汚れの8割近くは水で落ちるもので、湯シャンのようにシャンプーなどの洗浄剤を使わなくても一定の汚れは落ちると言われています。ただ水に溶けない皮脂やスタイリング剤は界面活性剤(洗浄剤)の入ったシャンプーで落とす必要があります。この界面活性剤には様々な種類があり、その種類や何から作られているかという原料によって、洗浄力や皮膚刺激性、価格が異なってきます。
その中で自分の髪質や頭皮の肌質にあったものを選ぶことが大切なのですが、年齢と共に皮脂量や肌の敏感度合いも変わり、その変化に合わせたシャンプーを選ぶことがさらに重要になります。特に女性は更年期に近づく40代で皮脂量が急に低下するため、20代や30代と変わらない強い洗浄剤を用いていると急に頭皮に乾燥・かゆみが出てきたり、刺激を感じやすくなります。40歳前後は頭皮の曲がり角、シャンプーの見直し時期ともいえます。
▼界面活性剤の種類とメリット・デメリット
界面活性剤というと悪い成分のような情報を見かけることもありますが、実際には水と油を混ぜる成分で洗顔フォームやシャンプー、洗剤といった洗浄剤から、乳化剤として乳液やクリームにまで幅広く使われている成分です。
種類や原料によって肌に刺激になることもあるため、選択の仕方によってはデメリットもあるというのが実際のところですが、すべての界面活性剤が悪いということではありません。
界面活性剤は、水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(親油基)の両方の性質を持っています。界面活性剤が油汚れに接触すると、油汚れと親油基の部分がくっついて油を抱え込み、親水基の部分が洗い流す水と馴染んで油汚れを浮かして水にくるんで落とすことが可能になります。
また親水基がイオン性を持っているかどうかによって4種類に分かれ、イオン性が高いほどたんぱく質の構造変化を起こしやすく刺激が強いと言われています。
この4種類の中で、洗浄力とマイルドさのバランスが良いアニオン界面活性剤が洗浄剤として広く用いられています。
そのアニオン界面活性剤の中にもさらに数種類に性質がわかれ、洗浄剤が強い順番にあげると高級アルコール系、石鹸系、アミノ酸系に大きく分かれます。
また原料が石油由来であるか植物由来であるかによっても、洗浄力や皮膚刺激性に違いが出てきます。石油由来の合成界面活性剤は安定性が高く、界面活性作用が持続するため、汚れだけでなく肌に必要な油分も落としやすく、バリアゾーンを弱めて肌が敏感に傾く一因になるという見解もあります。
高級アルコール系は石油由来で大量に作ることが可能で、シャンプーのみならず台所洗剤、住宅用洗剤などにも広く用いられ流通量の多い界面活性剤となります。そのため価格が低いので安価なシャンプーには良く用いられています。
40代からの皮脂分泌量が下がり、敏感になりやすい頭皮には植物由来の比較的マイルドな界面活性剤を用いたシャンプーがオススメです。アミノ酸系やさらに刺激の低い両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤などを組み合わせたもので、髪質や頭皮の肌質にあったものを選ぶようにしてみましょう。
▼シャンプーの中の美容成分の働き
大人の女性向けのシャンプーには洗浄剤以外にも様々な美容成分が配合されています。美容成分の配合目的には主に洗浄時の摩擦から髪の毛を守るなど髪の美容に着目したものと、頭皮そのものに美容効果を与えるものに分けられます。
シャンプー時の摩擦は髪に大きな負担になるため、毛髪表面を守り、洗い上がり時にしなやかにまとまりやすくする毛髪用の美容成分は重要です。
ただ中にはスタイリング剤に近い趣旨で配合されているものもあり、髪のコーティングには効果は高いものの頭皮に対しては刺激になったり、汚れ落ちを阻害するような成分もあります。
頭皮が刺激に弱くなり、豊かな髪の育つ土台となるヘアサイクルが乱れがちな40代からはスタイリング成分が多く配合されているものではなく、頭皮そのものへの美容効果に着目した美容成分を配合したものがおすすめです。
▼まとめ
- 40代で皮脂量が急降下するため強い洗浄剤を用いると、頭皮トラブルに!
- 植物由来のマイルドな界面活性剤を用いたシャンプーがおすすめ
- 洗浄剤の他に頭皮のための美容成分が配合されたシャンプーを選ぶ
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