2022.7.28
恩返しという気持ちもあるけど、自分たちの人生そのものをいろんな形で返していきたい。(Sakiさん 後編)
子供の頃からの夢であったハワイの世界大会で総合優勝という夢を叶えたSakiさん。そこに至るまでには血のにじむような努力と、踊りだけでなく精神面を大切にするフラの「神髄」との出会い、そして大きな気づきがありました。後編ではそんなSakiさんが次に目指す目標と、今の活動についてのお話を伺いました。
(取材担当:四倉)
@lanakoi__project(LANAKOI)
@w_a_l_e_a(WALEA)
≫「調和」だとか「愛」だとか、言葉だとすごくわかりにくいけど、踊っていくと感じるんです。(Sakiさん 前編)
◆ (四倉)2016年にハワイの大きな大会に出て、優勝をして燃え尽きたとおっしゃっていました。その後はそれまでのような練習の日々は一旦終わったのですか。
◇ (Sakiさん)そうですね。本当にそれが終わってからは日本に戻ってきて週に一回のレッスンになっていたんですけれど、2016年の大会が終わってからは教える方にシフトしていたので、やることはあったんですけど、ただ燃え尽きたままで(笑)。
◆ 自分がプレーヤーとしてフラをするのは一旦完了、という感じですね。これからは自分もやりつつ人に教えながら続けていく。
◇ そこで人には教えていくけど自分はフラをどうして行くんだろうっていう葛藤があって、Miyuuとずーっと話をして、これだけポッカリ穴が開いて燃え尽きちゃったし、人に教えるにもどうなんだろうって話をして(笑)、そこでLANAKOIにたどりついたんです。
自分たちの感謝の気持ちを、何か形で表現できないかと。ここまでやり切っちゃったし、夢がなくなっちゃったし、どうしようか!?とすっごい二人で悩んで。
◆ SakiさんもMiyuuさんも同じタイミングで夢をかなえて、燃え尽きて、だからこそ一緒に次の夢を探すことができたんですね。お二人で考えたLANAKOIで、どういったことを描いているのか教えていただけますか。
◇ LANAKOIは私たちが燃え尽きた後に生まれたブランドではあるんですけど、でもそもそも自分たちがソロで大会に出たりとかハワイで大会に出させてもらったりとか、フラを踊れる環境ってやっぱりいろんな人のおかげだよねって話をしていて、じゃあそういう人たちに形あるもので恩返ししていけたらいいよねっていう意味で始まりました。
そこから、もともと私がハンドメイドでアクセサリーを作るのが好きなんですけれど、それを取り入れてやってみようっていう形で。だからコンセプトは、恩返しという気持ちもあるけど、自分たちの人生そのものをいろんな形で返していくっていう。
最初のうちは自然に対しても自分たちの恩返しの目を向けたいということでTシャツを作って売上金の一部をサンゴの養殖場に寄付したりとか、そうやって循環していけるブランドでありたいねという形で始まりました。
◆ Instagramでもアクセサリーを拝見させていただきました。Sakiさんの話を聞いていて、きっと上を目指していた頃のSakiさんではなくて、祈りや自然への尊敬のなかで自分の踊りを見出してきたSakiさんであったり、それを経て燃え尽きたからこそ力が良い感じに抜けているSakiさん、その素敵な空気感をアクセサリーからすごく感じました。かわいくて、本当に欲しくなる…!ひとつひとつご自身で作っているのですか?
◇ そうなんです。全部自分で作っているんですけど、今ちょうどポップアップが近いのでちょうどこの部屋が作業場になっていて。いろいろ作っています。
これは中にサンゴが入っていて、レジンという樹脂で色を付けているんです。サンゴは自分で砕いてパウダー状にして、それをかけらにして中に入れていたり。
◆ すごい。アクセサリーの作り方はご自身で学ばれたのですか?
◇ そうなんです、独学で勉強しました。10代の頃くらいから作っていて、お友達の誕生日にあげたりしていましたね。
◆ 小さいころからされていたこと、フラだけでなくアクセサリー作りも今につながっていたのですね。感謝を伝えるという意味では幼いころから自然とされていたことがそのまま、より多くの人や自然に感謝を伝える手段として生かされているということが、本当に素敵です。
◇ 本当に、タイミングってあるんだなっていうのはすごく思いました。10代の頃からやっていたけど、全部そうやって自分の必要なものが与えられた先で、アクセサリーを作ったりブランドとして活動できるということはタイミングだなっていうのは思いますね。
Miyuuは経理だったりとか、彼女はすごく絵が上手なのでデザインを起こして、一緒にデザインを書いてお互いにアイデアを出し合ったりしてアクセサリーだけでなくアパレルもやったりとかしています。
◆ ブランドって本当に作る人の想いが乗っかったものだと思うので、LANAKOIはすっごく濃くて、でも優しいブランドなんだなと思います。切磋琢磨してきた二人でブランドを一緒にできるというのはすごく楽しくありませんか?
◇ そうですね!それもやっぱりフラのお陰で、フラをやってきたから魅力を感じてくださる方もたくさんいるので、ポップアップショップをするときにも、ブランドとして発信したいことを踊りで表現することもあるし、形としてはこんな風な製品になったんですと伝えることもできるので、それは自分たちにとって強みだなって思いますね。
◆ 私、Sakiさんのフラを踊られている動画を見て、フラのことを良く知らない私でも本当に心を奪われたんです。人の心を動かすことができるフラを踊ることができて、その思いがこもった物を提供することができることで、Sakiさんたちのブランドは、フラをする人たちだけの間で広まるものではなく、私たちみたいに知らない人たちの間でも広がっていくことができるんじゃないかなと思っていて。
◇ 一番そこの部分が伝わっていけば嬉しいなとわたしも思っていて。やっぱりフラも狭い世界なのでそこだけで完結しちゃったらもったいないし、知らない人にもいろんな形で、フラじゃなくてもブランドで伝わればいいなと思うので、後に残していくという面では、そう考えます。
◆ バンドの方とのグループでの活動も一緒にされているのですか。
◇ そのバンドも本当に自然にできて。もともとウクレレ&ボーカルのよっちゃんは私たちと同じフラのスタジオで3人で踊っていて。すっごく歌が上手で、彼女は他のバンドだったりソロで他の活動をしていて、もう1人のスラック・キー・ギター&ボーカルのマカラニは、私が昔働いていたハワイアンレストランで10年前くらいから知り合いで。たまたまうちのハラウのクリスマスパーティーで二人で演奏してくれないかと頼んだ時に、私とMiyuuが踊って、そこで初めて4人でセットになったんですけど、「この4人、いいね!」って話して、そこからがきっかけでwaleaというバンドになっていったんです。
◆ この4人いいね!と共鳴する体験、なんて素敵なんでしょうか。本当に、音楽と歌と踊りが合っていて、すごく心地よくなるようなハーモニーでした。
◇ 古くから知ってる4人なので、息も合うし仲もいいので、そういうのも音楽や踊りから伝わると嬉しいなと思います。
◆ 4人が本当に調和しているからこそ、見ている人もそこに引き込まれていくんでしょうね。醸し出すものがすごく心地いいなと感じました。
◇ ありがとうございます。嬉しいです。
◆ 今はグループでの活動はどういったところでされているのですか?
◇ 地方では呼んでもらえると行って、演奏してということをしています。だいたいは関東や神奈川での活動が多いんですけれど。今週末はKONISHIKIさんの40周年のコンサートで踊ったりとか、先月は京都、奈良に行ってきました。奈良ではお寺で踊って、来月は湘南の逗子のレストランで踊ります。CDも去年出して、CDツアーみたいな形で自分たちでいろんなところに行ったりもしていて。そういう感じで活動していますね。
九州は、行くことはなかなかないですけれど…呼んでもらえたらみんなで行きますよ!(笑)
◆ 情報に触れないと、なかなかきっかけもないですよね。九州は海の近くの町も多いですし、フラダンスを招いているイベントを見かけることも少なくないです。そんなときにSakiさんたちのグループのことをお呼びできたら、すごく素敵なステージになると思います。
◇ なかなかInstagramぐらいでしか活動を見れなかったり、私たちもそんなに情報発信を積極的にやってないので、人づてに知ってくださるということが多いです。
◆ 縁で広がっている感じがあって、それも素敵ですよね。
◇ そうですね、それがやっぱり一番かなって思います。
◆ 私たち HANA ORGANIC も、フラでつながった創設者の林田も、Sakiさん達と縁で繋がることができました。本当に微力かもしれませんが、私たちの活動や発信を通じて、HANA ORGANIC のお客様やそうじゃない方にもこの縁が広がっていけば嬉しいです。
これからの、Sakiさんの展望を教えてくださいますか。
◇ そうですね。LANAKOIが7年目になるんですけども、形をもっていろんな人に恩を返していくっていう風に始めて、商品を色々開発してやっている中で今新しく取り組んでいるのは、更にひとつひとつが触れ合えるような場所、それをカフェという形で実現したいと考えています。ちょっと一風変わったカフェにできたらなって思っていて、大きい規模ではないのですがもしかしたら第一店舗目を沖縄に出すことができそうなので、そこに向けて、人が集まれるような空間を作っていくということをしていけたらと思っています。
そこにやっぱりフラもあり、LANAKOIもありきなので、もう全部がまとまったもの、空間を作っていけたらなと思っていますね。
◆ 空間があれば、そこでお客様にもその場の空気感を味わって頂きながら、製品も手に取って見ていただけるし、音楽とダンスで世界観も表現できるし、きっと素敵なカフェになりそうですね!
いつ頃のオープンを目指しているのですか?
◇ そうですね、完全オープンはどうだろう。でも10周年に向けて何かできたらいいなと思っているので、その前にはできると思うんですけれど。来年、再来年、できたらいいねというところで。
◆ LANAKOIの10周年。2016年からの10周年だと、2026年に10周年を迎えるのですね。すごく楽しみにしています!SakiさんとMiyuuさん、バンドの方々もそこで活動をされるということもあるのですか?
◇ そうですね!そういうのも全部できたらいいなと思っています。 宿泊もできるようにしたいねって話しています。
◆ 沖縄で、自然に囲まれてフラの音楽に囲まれて。Sakiさんにも魅力がたくさんあって、たくさんの人が集まりそうですね。私がそう感じるように、Sakiさんたちの一員になりたい、応援したいと思う方も沢山出てきそうですね。
◇ そうですね、そう思ってもらえるとありがたいですね。
◆ Sakiさんの今の活動も、これまでの生き方も、本当に魅力に溢れていて、HANA ORGANIC の考え方と共鳴していることもたくさんあると感じました。今後も何か一緒に活動をしたり、コラボレーションができたら素敵ですね。
◇ 嬉しいです。ぜひ!よかったら呼んでください(笑)
一つのことを極め続けたからこそ叶えることのできた夢、そして得ることのできた大きな学び。フラのことをよく知らない人にもフラで得た自然や人、全てのものへの感謝の気持ちを広めるべく新しい夢に向かって活動するSakiさんは、とても自然体で調和そのものでした。音楽・踊り・製品を通してその世界観がたくさんの人に共有される未来が、楽しみで仕方ありません。Sakiさん、本日はどうもありがとうございました。
最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。
フラを通して色んな”事柄”や”人”と繋がることができて、フラ=人生だと常々感じます。
踊っている時は地球や宇宙を感じる。
すべてとの調和、バランスが感じられる。
この地球で生まれてその一部である大切さを実感させられます。
今回のインタビューで、その源にあるものを意識することをとても思い返す良い時間となりました。
素敵な機会と、気づきをありがとうございます。
内なる輝きが波紋となって更に広がって行きますように!
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