肌も心も透明に。わたしに還る Holistic Care|HANA ORGANIC

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2022.11.7

やっぱり自然の中で踊るのが私にとっては一番自然、というか。本来のフラの形なのかなと思います。(Miyuuさん 前編)

 

Miyuuさん

 

≪プロフィール≫

幼いころにハワイで見たフラダンスの衝撃を忘れられず、5歳からフラを始める。2015年に全日本チャンピオンMiss Hula Japanを取得し、2016年にはハワイのフラの聖地・メリーモナークにも出場を遂げ、頂点を極めた。現在は同じフラスタジオ出身のSakiさんと共にブランドLANAKOIを立ち上げ、日本全国で活動する。

 

▽Instagram

@miyuu714

@lanakoi__project(LANAKOI)

@w_a_l_e_a(WALEA)

 

 

幼いころからフラダンスを始め、 夢の舞台、ハワイの世界大会での優勝を叶えたMiyuuさん。フラに捧げた生活は、葛藤と気づき、そして大切な人との出会いにも繋がるかけがえのないものでした。今、同じMiss Hula Japanに輝いたフラの同志であるSakiさんと始めたブランド LANAKOIの活動とともに、また新たなステップを踏み出そうとしているMiyuuさんに、フラへの思いとこれまでの経緯についてお伺いしました。

 

(取材:HANA ORGANIC 松本)

 

 

 

 

◆(松本) Miyuuさんの生まれはどちらですか?お母さまがお笑いをされていたとお聞きして、すごく楽しそうなお家で育ったんだな、と想像していました。

 

◇(Miyuuさん) 生まれてからずっと東京で育ちました。一人っ子で母子家庭なんですが、母子家庭だからといって暗い感じではなくって、家の中にずっと笑いがありました。母の思いとして「日本で一番明るい母子家庭でいよう」という思いがあったみたいで、お父さんがいない寂しさとかもあったかもしれないんですけど、すごく悲観的になるってことはなくずっと育ってきたなっていう感じですね。

 

 

 

 

◆ Miyuuさんの明るい笑顔を見ていると、お母さんからたくさん愛情をもらっていたんだろうなということが想像できます!Miyuuさんも幼いころからフラダンスを始めていらっしゃいますが、フラダンスとの出会いはどういった形だったのですか?

 

◇ 家族でハワイ旅行に一番最初に行ったのが1歳で、その時は全然覚えていないんですが、次に言ったのが3歳の頃で、ビーチで無料で見れるフラダンスのショーを見せてもらったときに、子供ながらにすごく衝撃を受けて。その映像がずっと残っていて、小学校に上がる時に何か一つ習い事をしていいよと言われて、わたしから「フラダンスがいい」と言ったのが始まりですね。

 

 

◆ 3歳の頃の記憶で覚えていたなんて、Miyuuさんにとってかなり大きな衝撃だったのですね。

 

◇ 今でもうっすらと覚えてるんですけど、子供からおじいちゃんおばあちゃんまで本当に老若男女が輝いてたのがすごく印象に残っていて。そのとき日本でそういうダンスってあまりなかったので、「わぁ、いいな」と衝撃的だったのかもしれません。

 

 

 

 

◆ フラダンスはどういった形で習い始められたのですか?

 

◇ 最初は近所の教室に入って、何年かは日本の先生に習っていました。その時は母と一緒に入って、母もそれから10年くらいは続けていました。私の一言もありますが、なにより家族みんなハワイが好きだったので。

 

5歳から7歳ぐらいまでその日本の先生に習って、その次にまた5年ぐらい違う方に習っていて、今のSakiちゃんと出会った教室に入ったのが、13歳の頃です。そこから高校や大学に行きながら、ずっと今も教室に通ってます。

 

 

 

 

◆ お教室を変えようと思ったきっかけは何かあったのですか?

 

◇ 一度受験があってお休みをしていたときに、ハワイの大会の映像を見漁っていたら、すごく憧れるダンサーに出会ったんです。

 

その憧れのダンサーさんが来るワークショップがあるという記事をたまたま見つけて、絶対行きたい!と思って、当日行ったらその方は来てなかったんですけど(笑)、その時にそのダンサーさんがいるハワイの教室の日本校を開きますというアナウンスがあって。「憧れの人と同じ踊りが習いたい!」と思って、後日入会の受付に行ったのですが、その日にそこではじめてSakiちゃんと出会いました。

 

クラス分けがあって、そこでたまたまSakiちゃんと一緒のクラスになったんです。年上の方が多くて同じ年代の子が全然いなかったので、自然とよく一緒にいるようになりましたね。

 

 

◆ 今は双子のように仲の良いお二人ですが、最初から意気投合されていたのですか?

 

 

 

 

◇ 私は人見知りなので、最初に会った日は警戒して母の陰にずっと隠れていました。(笑)

 

けれどレッスンを重ねていくうちに打ち解けていって。Sakiちゃんは高校生だったので結構お姉さんではあったんですけど、交換日記なんかも付き合ってくれて。

 

 

◆ 学校での生活とフラダンスの生活の両輪は、どのようにこなしていたのですか?

 

◇ 学校生活は学校生活で楽しんでいて、高校では陸上部にも入っていて、そちらの試合もありました。けれど常に優先順位はフラが一番だったので、大会があるときはチャイムと共に帰っていましたね。(笑)

 

 

◆ 両輪どころか三輪だったのですね!

そんなハードな学生生活の中で海外の試合にも出られていたんですよね。

 

◇ 2009年、高校1年生くらいの頃に日本大会があって、そこで優勝して日本代表として2010年のハワイの大会に行きました。

 

 

 

 

◆ まさに学業も部活も大変な頃ですが、フラダンスを踊っているときはやっぱり他のときとは違うモードになるんですか?

 

◇ そうですね。もうずっと踊っているので、本当に食べる寝る踊るみたいな感じでもあるし、今で言う一種のメディテーションみたいな面もあって、気持ちを落ち着けたりとかそういう感じにもなっているのかなと思います。

 

 

◆ なるほど。フラダンスって、動きが本当になめらかでまるで私たちの知っている身体じゃないような感じで動きますよね。あの動きも、そういったモードに入れば意識せずにできるものなのでしょうか。

 

◇ もう24年ぐらいやってるので、今はそうかもしれないですけど、やっぱり最初は自分の体の構造や筋肉の動かし方、ステップの踏み方とか、習ってるときはやっぱりまだまだぎこちない時期はありましたね。

 

今はどちらかというと指導する立場になってきたので注意されることは少なくなってはきたのですが、踊ると自分で自分の体調がわかるし、映像を見て自分の癖が出てきてるなと思って自分で直したり。本当に多分人にはわからないようなミリ単位の違いなのですが、もう研究というか、自分の体とその感覚を擦り合わせるっていう。そういうことは多分ずっと続くのかなと思いますね。

 

 

 

(動画)

https://www.instagram.com/p/B2OGY6bjCLv/

 

 

◆ フラダンスにはリズムに乗ったり音楽を表現する以上の、もっと何か違う神秘的なものがあるように感じます。幼いころからそういったことも一緒に学んでこられたのですか?

 

◇ そうですね。古典フラと現代フラという2種類があって、古典フラは昔から引き継がれてきた日本でいう巫女舞のようなもので、打楽器のリズムの音と踊りと自分たちの声しかなくて、古典フラを踊ることに関してはやっぱり歴史を知っておかないと表現できなかったりするので理解が必要でした。

 

現代フラは皆さんがイメージされるような、メロディに乗せる明るい感じのフラなので、今度はその曲に込められた思いを理解して表現するという。どちらも深いのですが、何かちょっと重みが違うというか。

 

 

◆ Miyuuさんはどちらをされていたのですか?どちらの方が好き、というのはありますか?

 

◇ 古典フラ、現代フラ両方とも習っていました。

 

とっても迷いますが、古典フラの方が好きです!理由は、古代からほぼ変わることなく伝え続けられているので何百年という時の長さと、当時の方の想いが先祖やフラの師など数えきれないほどの情熱を感じることができるからです。

 

フラが神事として伝えられていたように、古典フラを踊ると神や王族、自然の偉大さを感じ、表現できることも魅力だと思います。

 

 

◆ 伝承されるものには、今の感覚では想像できないほどの深い意味や思いが込められていますよね。古典フラにはそんな力強さを感じます。

 

Miyuuさんはそれまでも素晴らしい成績を残されてきましたが、16歳では日本代表としてハワイで優勝を飾られています。その時はどんな気持ちでしたか?

 

 

◇ 日本大会のときは他の出場者の踊りをほとんど見れていなかったので驚きでした。でも全部出し切れたのでもう順位などはまり気にしていなくて「みんなで帰って打ち上げしたい!」という気持ちで表彰式に行ったらまさかの優勝というすばらしい順位をいただけて、さらに嬉しかったですね。

 

ハワイ大会では、日本人だし優勝するとは思っていなかったので、それはそれで違う驚きがありました。ここまで来て本当に良かったなという気持ちもありましたし、一方で「ようやく終わった!」という達成感もありましたね。

 

 

 

 

◆ それだけ厳しく大変な道のりだったんですね。

それから、2016年、22歳の頃にも大きな大会にSakiさんと出場されていますね。

 

◇ フラのオリンピックといわれる、「メリーモナークフラフェスティバル」に出場するために、3ヶ月ハワイで暮らしていました。Sakiちゃんと2人で同じホストファミリーのところに住み込んで、ご飯食べて、フラして寝て、というような生活でした。あとは葉っぱのスカートを夜中にひたすら作ったり。

 

 

◆ 衣装も手作りなのですね!それはやっぱりフラダンスの心得なのでしょうか。

 

◇ そうですね。植物のものは大体自分たちで作っていて、レイも基本的に皆自分で作れるんじゃないかな。

 

どういうふうに植物を取るとか、植物を食べるとき、森に入るときにお祈りしてから入るとか、ものを身につけるときにはこういうお祈りをするとか。

 

あとは使ったままのレイをゴミとして捨てずに山や海に返したり、全部自然を大切にするという考えが残ってるなと思いますね。

 

 

 

 

 

◆ 自然を大切にする、自然と一体となる。フラダンスのそういったところもMiyuuさんにとって魅力だったりするのですか。

 

◇ そうですね。ステージやホールで踊るのも好きなんですけど、やっぱり自然の中で踊るのが私にとっては一番自然、というか。本来のフラの形なのかなと思う時が多くて。空を表現しているときに目の前に空がある方が自分のその見たままを表現することができるので、自然と近いような踊りだと思いますね。

 

 

 

 

◆ 試合等のステージで踊るMiyuuさんと海辺で踊るMiyuuさん、Instagramで拝見しましたがまた違う顔というか雰囲気があります。

 

◇ 大会の時はやっぱり大会のマインドがあって、勝つためではなく、自分たちが習ってきたものをちゃんと審査員の方に見ていただき、自分たちのスタイルを表現していくという感じですが、自然の中で踊ったり、Sakiちゃんと踊るときはただただ楽しいので、海や山を見ながら「気持ちいいな」と肩の力を抜いて踊っていると思います。

 

 

◆ 海辺で踊っているお二人が、本当に自然と一体になっていく感じがして、見ているこちらも癒されてしまいました。Miyuuさんの感じられている楽しさや気持ちよさがこちらにも伝わってきているのかもしれません。

 

 

 

フラダンスとともに駆け抜けてきた24年。フラの踊りとその本質を極めていけばいくほど「自然と共にある本来の形」に踊り自体も、そして自分自身も近づいていくようでした。

後編では、夢に向かうMiyuuさんが突き当たった葛藤と気づき、これからの活動についてのお話を伺います。

 

 

「もういいや、このまんまで。」今の自分を受け入れたことが、きっかけになった。(Miyuuさん 後編)

 

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